映画史に残る神話的名作「猿の惑星」のシリーズの完全新作となる『猿の惑星/キングダム』が、いよいよ公開となった。人類が退化し、猿が絶対的支配権を握っている“300年後の世界”を舞台に、猿と人類によるそれぞれの生き残りをかけた壮絶な戦いを描く本作。圧倒的な臨場感とドラマ性をスクリーンに刻み込んだウェス・ボール監督とプロデューサーのジョー・ハートウィックが公開にあわせて来日を果たし、本作のインパクトあふれる巨大広告があちこちに掲げられた渋谷に降臨。人気YouTuberであるSAWAYAN CHANNELのサワ&ヤン兄弟と共に、映画について会話を弾ませながら渋谷の街をめぐった。

メガホンを取ったボール監督は、「メイズ・ランナー」シリーズを成功に導き、実写版『ゼルダの伝説』の監督にも抜てきされるなど、いまや世界中から熱心線を浴びているフィルムメーカー。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のVFXスタジオ「WETA」がタッグを組み、ダイナミックなアクションとリアルなキャラクター表現を両立させた。巨大な王国を築く冷酷な独裁者、プロキシマス・シーザーによって村と家族を奪われた若き猿のノアが、人間の女性ノヴァと共にプロキシマスに立ち向かうことを決意する姿を描く。

今回、ボール監督とサワ&ヤンが顔を合わせることになったのは、サワ&ヤンがもともと「メイズ・ランナー」シリーズのファンであり、さらにゲーム実況内で、彼らが『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』に触れていたことをきっかけに実現した。まずボール監督&ハートウィックがサワ&ヤンと落ち合ったのは、渋谷ハチ公前。ここには、プロキシマス・シーザーが威嚇するように目を光らせた広告の下に、「人類よ、この惑星は猿のものだ。」という強烈な言葉が白字でつづられた巨大な黒看板がお目見え。そこでサワ&ヤンと対面を果たしたボール監督は笑顔でハグをし、さっそく映画談義がスタート。サワ&ヤンが本作を観た興奮を伝えると、「うれしい!初めてシリーズに触れる人も楽しめるように作りました。いまできる最高峰の技術を詰め込んでいるんですよ」とにっこり。好きなシーンを熱弁したサワ&ヤンに、ボール監督が「あのシーンは全部CGなんです」と答え、サワ&ヤンが「ワオ!本当に!?」と目を丸くするなど、終始、息ぴったりの様子を見せていた。

巨大な黒看板の裏手には、「人類よ、ひれ伏せ。」というメッセージ、プロキシマス・シーザーの顔がドン!と描かれたポスター、「この支配に立ち向かえ。希望は、まだある。」というメッセージ、そして目に光を宿したノアとノヴァ、オランウータンのラカが並んだポスターが街の人の目を奪う。

ボール監督はプロキシマスのポーズを取ってみたりとお茶目な表情をのぞかせつつ、「広告からも映画の放つメッセージ性を感じられて、とてもいいですね」とキャラクターの心情と物語性を表現した広告にうれしそうな表情を浮かべ、そばに位置するハチ公にも挨拶。ハチ公前はさすがの混雑ぶりで、これには4人も「人が多いね!」と楽しそうに話しながら、さらに“世界でもっとも人通りの多い交差点”とも言われているスクランブル交差点へと歩みを進めた。

続いての広告スポットは、センター街のある一角。センター街からスペイン坂にかけては、本作の衝撃的な世界観と猿の大群が渋谷スクランブル交差点に出没している様子を表現した、“300年後特別ビジュアル”が掲示されている。ボール監督&ハートウィック、サワ&ヤンも「渋谷も、猿に支配される。」と書かれた大きなポスターを興味津々に見渡し、馬に乗った猿のモノマネをしたりしながら、みんなで記念写真をパチリ。街めぐりをするなかでは、SAWAYAN CHANNELのファンから声をかけられる場面もあった。サワ&ヤンが「『猿の惑星/キングダム』観て!」と熱いメッセージを送ると、ファンは「もちろん!観る、観るー!」と大歓喜。ボール監督も「『猿の惑星』、観てね!」と日本語で呼びかけて、周囲を大いに盛り上げていた。

歩く道中も、好きなアニメや映画の話に花を咲かせていたメンバー。ボール監督は「宮崎駿監督作品が好き。いまは『僕のヒーローアカデミア』を観直しているところなんだ」と日本発のアニメも大好きだという。「最高の2人ですね!」とサワ&ヤンとの出会いを喜んだボール監督は、「ウクライナ出身でいまは日本でYouTuberとして活躍しているという、彼ら自身のストーリーもとてもステキだし、人柄も最高。SAWAYAN CHANNELには若いファンの方が多いようなので、これをきっかけに若い方にも本作を観てもらえたらうれしい」と笑顔。ハートウィックが「すでに彼らのYouTubeチャンネルを登録しています」、ボール監督も「彼らの動画を通じて、日本語を学べるかも」と話すなど、すっかり2人のファンになった様子。

「世界でも有名な渋谷の風景のなかに、自分が実際に立てたなんて本当にいい気分」と来日を堪能したボール監督だが、本作の広告を見るたびに「Great!」と胸を躍らせていたのも印象的だ。「ハチ公周りが、『猿の惑星/キングダム』の宣伝ばかりになっていたのは感動的。どれも大きくて、インパクトがあった。ここまでの展開はなかなかないことだと聞いて、ものすごくうれしかったです」としみじみ。ついに公開となった本作について、「とにかく楽しんでほしい。刺激的で、劇場で最高の時間を過ごせるはず。『猿の惑星』シリーズの10作目になりますが、その世界に家族みんなで入り込んで、主人公と共に最高の旅を経験してほしいです!」と期待を込めていた。

今回のボール監督、ハートウィック、サワ&ヤンたちが渋谷をめぐる様子は、後日SAWAYAN CHANNELやディズニー公式SNSにもアップ予定。ぜひチェックしてみてほしい。

取材・文/成田おり枝