北陸新幹線の大阪までの延伸をめぐり、石川県加賀地方の市長らが22日、「米原ルート」の再検討を求めたことについて、馳浩知事は「米原ルートでは乗り換えなしということは解決できない」として、現行の小浜・京都ルートでの着工を求めました。北陸新幹線は3月に金沢ー敦賀間が開業しましたが、大阪までの延伸は着工のめどが立っていません。

与党のプロジェクトチームは2016年に、福井県小浜市や京都市などを通る「小浜・京都ルート」を採用していますが、石川県や富山県の一部からは、滋賀県米原市の米原駅で東海道新幹線に接続する「米原ルート」を求める声も挙がっています。

南加賀地域の市長らでつくる「オール加賀会議」は22日、石川県加賀市で総会を開き、大規模災害などの有事に備え、太平洋側と日本海側の新幹線を1日も早く接続する必要があるとしました。

そのうえで、工期や建設コストなどを踏まえ、敦賀・米原間で接続することが最良の選択だとして、米原ルートの再検討を求め全会一致で決議しました。

これについて、石川県の馳浩知事は東京都内で記者団に対し、「具体的な数値が入ったようなデータに基づいた決議ではなかった。6〜7年前に決まった小浜・京都というルートに対して(市長らは)不安感があるのかな」と述べました。

そして、「米原ルートならば乗り換えなしということは解決できない。より早く大阪につなげていくという観点で、現行ルートで対応していきたい」としました。

国会議員時代に与党プロジェクトチームの一員として小浜ルート決定に関わってきた馳知事に対し、米原ルートの再検討を突き付けた形の沿線自治体の首長。今後、延伸ルートをめぐってのガチンコ勝負が始まることになるのか。少なくとも”溝”が生まれている状況が見えています。