能登半島地震で甚大な被害を受けた伝統工芸の珠洲焼。修理した窯で地震発生後初めての火入れが行われ、作家たちが少しずつ作品作りを再開しています。

珠洲市蛸島町の珠洲市陶芸センターでは、窯の一部や煙突が壊れ作品を作れずにいましたが、職員や作家の有志で作る珠洲焼振興会のメンバーが2か月前から修理を行い、24日地震後初めて本格的な火入れを行いました。

米田初男さん「仕方ないとやり過ごして進まないと。戻らないんだから」

修理を呼び掛けたのは振興会の代表で珠洲焼作家の米田初男さんです。

久しぶりに火入れした窯には、メンバーが手掛けた皿などおよそ200点の品が入っています。支えてくれたのは仲間だと米田さんは話します。

米田初男さん「意味があるか分からないけど微力ながら珠洲焼の復興の煙を、のろしを上げようと」

自宅兼工房は全壊と判定され、避難所生活を続ける米田さん。およそ5か月間、制作ができないもどかしい状況が続きましたが、イベントに参加した時にかけられた励ましの声が復興へ進む力になったといいます。

米田初男さん「かま出ししか考えてない。最終クライマックスのかまだし。元気が出てくるよ。よしまた頑張ろうと。下手な作品でもそういうことを言ってくれるから」

被災作家らが上げた復興の狼煙。作品は6月5日に窯から出されるということです。