歴史的な円安はゴールデンウィークの過ごし方にも変化をもたらしています。過去に人気だった海外ではなく、国内への旅行の需要が高まっているようです。

20代:「国外に行きたいが、円安が進み過ぎている。行くなら国内」50代:「海外旅行?ゴールデンウイークには行こうと思わない。ちょっと円が高くなってからにしようかな」40代:「国内で、お金ない中でどう遊ぶか」

ゴールデンウイークの過ごし方について街では、「円安」を理由に海外旅行を敬遠し、国内で過ごすという声が多く聞かれました。こうした動きを受けて予約数を伸ばしているのが港区のホテルです。

グランドプリンスホテル新高輪 今井さん:「今年は日本のお客様が昨年と比べて(約)1.6倍となりまして、その中でも特にファミリーのお客様が非常に多くなっております」

今年はゴールデンウイーク期間中の日本人客の予約が去年と比べ1.6倍に増え、その結果、全体の宿泊者も1.5倍に増えたということです。

グランドプリンスホテル新高輪 今井さん:「昨今の円安によって、海外旅行ではなくて、近場の国内旅行、しかも家族旅行が非常にテーマとなっている」

ファミリー向けタイプのこちらの部屋は需要の高まりを受けて去年と比べ料金が倍以上になったにも関わらず、ゴールデンウイーク期間中、ほぼ満室になっているということです。

円安によって需要が高まる国内旅行にも、今年は変化が見られます。近畿日本ツーリストによりますと、国内の旅行先として去年は7位の人気だった東京が1位となりました。

近畿日本ツーリスト 店長:「新しいホテル続々とオープンしたりとか、豊洲の千客万来といった新しい施設がたくさんできまして、人気のスポットとなっています」

2月に開業した新鮮な食材や温泉を満喫できる豊洲の「千客万来」や、3月開業の没入型テーマパーク「イマーシブ・フォート東京」など、東京の人気が急上昇した要因の1つは、新施設が次々に誕生していることにあるようです。

国内旅行の需要が伸びている背景には、円安だけでなく物価高も影響しています。全国の物価動向の先行指標となる東京23区の生鮮食品を除く消費者物価指数について、今月は去年の同じ月と比べて1.6%、上昇しています。伸び率は2カ月連続で縮小したものの、依然として物価の上昇が続く中で、近畿日本ツーリストによりますと、今年の国内旅行は円安や物価高の影響はありながらも「消費控え」とはならず、販売高は前年と比べて1割ほど増え、堅調に推移しているということです。

その理由として、今まで海外旅行に行っていた人が国内旅行にシフトしたことで、プールやスパ、ラウンジを利用できるような高級なプランを利用して国内での贅沢を楽しむ傾向があるということです。

またゴールデンウイークの予算に関する調査では、国内旅行の平均予算は日数など問わず一人あたりの飲食費や宿泊代などの総額で、去年と比べて約1割増え、今年は8万1310円となっているということです。

今年のゴールデンウイークは海外ではなく、東京をはじめとした国内での「プチ贅沢」がトレンドとなりそうです。