文化・流行を発信し続ける原宿の街で100年近く愛されてきた原宿駅の旧駅舎跡地の開発が今月末から始まります。歴史を継承しながら利便性を高める開発に、駅利用者からも歓迎の声が上がっています。

記者:「ゴールデンウイークともあって多くの人が行きかう原宿駅前です。現在あちら、白いフェンスで囲われている原宿駅の旧駅舎跡地の再開発が今月末から始まり、こうした明治神宮の杜、そして街の緑と調和した商業施設の開業を目指します」

今月末ごろに着工となる開発により原宿駅の旧駅舎跡地は地下1階、地上4階建ての商業施設として生まれ変わります。コンセプトは、「つながる」。

1924年に完成し、都内最古の木造建築駅舎であった旧駅舎を再現し「時とつながる」、緑との調和を大切に「まちとつながる」、多様なトレンドカルチャーを発信してきた原宿の「文化とつながる」。3つのつながりを意識し、原宿エリア全体の賑わい創出を目指します。

駅利用者:「緑があるので映えるし、自然と明るくなるというか、気分も暮らしやすくなりそうだなと思います」「より一層原宿に人が増えそうというか、本当により一層原宿が好きになりそう」「いまインバウンドもあって外国人の方も多いと思うが、まさに今イメージしている日本の建物みたいな感じもあって、モダンな感じでかっこいいですし、東京の一つの入り口になるのでは」

新たな施設は2026年度、冬の開業を目指します。

街とつながりエリア全体の賑わいを目指す原宿駅の旧駅舎跡地は今月末に着工となり、地下1階・地上4階建ての商業施設として生まれ変わる予定ですが、どのような店舗が入るかは現在未定となっています。

そして今回の開発デザインを監修したのは、4月17日、明治神宮前の交差点に開業した商業施設「ハラカド」の外装・屋上デザインを手がけた建築家・平田晃久さんの事務所が行なっています。今回のデザインについて事務所に話を聞いたところ、「長く親しまれた旧駅舎を尊重し、神宮の社がよく見えるよう高さを抑えながら象徴的な階段状の建物にした」ということです。

また、駅の利用者にどんな施設になれば嬉しいか聞いたところ、「待ち合わせが多いから、ゆっくり過ごせるカフェが入ってほしい」「原宿周辺の飲食店は値段が高いところばかりで、手頃な飲食店が入ってほしい」などの意見が聞かれました。

そして原宿駅の隣、渋谷駅でも新たな動きがあります。去年完成した渋谷サクラステージの開発と共に、エリア一体の回遊性向上などを目指して整備が進められていた渋谷駅の新駅舎の一部が7月から使用開始となり、渋谷サクラステージと渋谷ストリームを結ぶ場所に、新南改札が移転されます。現在の新南改札は、渋谷の中心からは少し離れた場所にあり、新駅舎が誕生し改札が移転することによって、山手線・埼京線の両ホームへ直接アクセスも可能となるなど利便性向上が期待されています。原宿そして渋谷…進化と変化を続ける街全体の賑わいが期待されます。