小学校の放課後に児童を預かる学童保育に定員オーバーで入れない「待機児童」が増えています。文京区は対策として、今月から児童をタクシーで学区外の学童保育に送迎する取り組みを始めました。

記者:「学童に送迎するタクシーが入ってきました」

文京区が今月、都内初の試みとして始めたのが、学童保育に入れなかった児童が多いエリアから定員に空きのある施設に児童をタクシーで送迎する事業です。文京区の学童保育の待機児童数はこれまで20人から40人ほどでしたが、去年4月の時点で97人に急増していました。

区によりますと、背景には、この1〜2年で区内に高層マンションが相次いで建設されるなどして子育て世帯の転入が増えた一方で、一部のエリアで施設の整備が追い付かなかったことなどがあるということです。

この課題に対処するため、文京区は約950万円の予算をあて、区内でも最も待機児童が多い大塚の窪町小学校周辺と学区外の水道にある学童保育施設をタクシーで送迎する事業を開始しました。利用は無料で、送迎には保育施設のスタッフが同乗します。

児童の受け入れ先は小学校から2キロほど離れたところにある水道第二育成室です。子どもでは歩いて30分以上かかる道のりですが、タクシーだと10分ほどで到着します。

サービスを利用する保護者は…

保護者:「第一希望の育成室が定員オーバーで入れなかったんですけど、すぐにそういう試みがあるということを知って何の問題もなく」「安心。タクシーで送り迎えしてくれるので安心感はあるなと思いました」「待機児童が解消できないようであれば続けていってくれたらありがたい」

区はタクシー送迎はあくまで緊急の対策だとし、送迎を活用しながら、必要な施設の確保を進めていく方針です。

区の担当者:「児童の安全かつ健全な居場所が確保できていますので、そういった場所がないよりか、タクシー送迎で育成室にお子さんを運ぶというのは重要な取り組みだと思っています」

文京区で始まった学童保育へのタクシー送迎ですが、その背景には、学童の施設を確保することの難しさがあるということです。都心部ではなかなか、ある程度の広さがあって、学童が行える施設を見つけるのは大変でしょうね。

区の担当者は、タクシー送迎はあくまでも緊急の対策だとする一方で、この事業により、待機児童に対応する選択肢が増えればと話していました。学童の待機児童は都内のほかの自治体にも共通する課題となっていて、文京区にはすでに3つの自治体から問い合わせがきているということです。