長野県諏訪市と伊那市にまたがる守屋山の開山祭が5日、諏訪市にある登山口「水呑場」で開かれた。地元の関係者や登山客ら約200人が集まって神事を行い、1年間の安全とにぎわいを祈願。諏訪市中洲小学校みどりの少年団が2種のカエデを記念植樹し、登山シーズンの到来を祝った。

 中洲地区の林業関係8団体でつくる実行委員会(藤森正紀委員長)主催。新緑に包まれる登山口ではアルプホルンの牧歌的な音色が響いた。神事に続いて、登山用の杖に結んだ綱を切るテープカットを実施。温かい豚汁でも県内外からの登山客をもてなした。

 守屋山は東峰(標高1631メートル)と西峰(標高1651メートル)の二つの山頂があり、三方のアルプスや八ケ岳などが望める。山野草の宝庫で「花の百名山」にも選定。8団体のうちの一つ、守屋山あずま屋会の篠原隆司副会長によると、交流サイトSNSでも登りやすさや魅力が広がり、最近は若い人や女性グループも増えているという。

 中洲小みどりの少年団で4年生の児童2人は「風が気持ちいい。きれいな緑がもっと増えるように植樹を頑張りたい」と意欲を見せた。諏訪清陵高校付属中学校1年の生徒(12)は「守屋山に登るのは初めて。景色が楽しみです」と語り、バドミントンクラブの仲間と一緒に山頂を目指した。