長野県上田市で先週末、「監督は怒ってはいけない」というルールの少年野球大会が開かれました。会場には、ミスをしても明るく励ます声があふれ、子どもたちものびのびとプレーしていました。

はつらつとプレーする子どもたち。上田市で3月30日に行われた少年野球大会です。一見、普通の大会ですが、あるユニークなルールを取り入れました。

選手宣誓:
「監督・コーチは、怒らないでください」

それは、「監督やコーチは怒ってはいけない」というルール。

バレーボール元日本代表の益子直美さんが、子どもたちによりスポーツを楽しんでもらおうと、2015年に始めた取り組みで、今はさまざまなスポーツに広まっています。

主催した上田・東御・小県地区野球協会・高橋幸夫さん:
「スポーツは楽しくやらないと上手になりませんから、子どもが楽しくできる場を与えていきたい」

円陣:
「きょうの目的は何ですか?積極的に打つ」

上田市の「上田原・築地学童野球」の手塚明久監督。思いっきりバットを振ろうと呼びかけました。

空振り三振になってもー。

上田原・築地学童野球・手塚明久監督:
「ナイススイング!」

しっかり振ったことをほめていました。

フライを打ち上げた際にはー。

手塚明久監督:
「1塁ベース踏まないと。全力全力」

少し厳しい口調にー。

それでも、決して声を荒げることなく、終始、優しく前向きな声をかけ続けていました。

手塚明久監督:
「ナイスプレー、ナイスプレー」

女子児童:
「ちょっと怒ってたけど、いつもより怒っていなかったからよかった。プレッシャーなかったので、(プレー)しやすかったです」

男子児童:
「(こういう大会はどう?)いつもより楽です」

監督はー。

上田原・築地学童野球・手塚明久監督:
「大きな声が出た場面はあったかもしれない。子どもたちにはのびのびやってもらいたいと思いますし、楽しい野球やろうねと自分も心がけている」

「ナイススイング」

他のチームの監督やコーチも三振した子どもを励ますなど優しく声をかけていました。

祢津スポーツ少年団・加藤木大樹監督:
「子どもたちも自分で考えてできるし、頭ごなしに言っちゃうのはかわいそう。もっといいふうにできるようにサポートしてあげるように考えている」

野球を楽しんでほしいという思いが詰まった「怒ってはいけない」大会。県内でもますます広まりそうです。