一歩でも兄に近づきたい。ダートで一時代を築いたエスポワールシチーの半弟となるテーオードレフォン(牡5、栗東・梅田智之厩舎)が、アンタレスステークス(4歳上・GIII・ダ1800m)で重賞初挑戦初制覇を狙う。

 テーオードレフォンは父ドレフォン、母エミネントシチー、母の父ブライアンズタイムの血統。半兄のエスポワールシチーは09年のジャパンCダート、10年のフェブラリーSなど、GIとJpnIを計9勝した名馬。同じくミヤジコクオウは20年のレパードSで2着だった。

 ここまで15戦5勝。トントン拍子に出世とはいかなかったが、2勝クラスを6戦、3勝クラスを4戦でクリアして、待望のオープン入りを決めた。昇級戦となった前々走のポルックスSは5着だったが、続く前走の名古屋城Sを鮮やかに逃げ切り、あっさりとオープン初勝利。確かに展開利はあったが、上がり3Fをメンバー中最速の36秒0でまとめ、後続に影すら踏ませなかったのだから、文句なしの完勝だった。

 兄は4歳時のかしわ記念で初のビッグタイトルを獲得。それでいて8歳時にJBCスプリントを制したように、非凡な成長力があった。明け5歳の弟もまだまだ伸びシロがあるはず。まずはここで重賞初制覇を果たし、今後の飛躍へとつなげたい。