GI初制覇のビッグチャンスだ。開業5年目の吉岡辰弥調教師が、NHKマイルカップ(3歳牡牝・GI・芝1600m)にディスペランツァ(牡3)とノーブルロジャー(牡3)の豪華2頭出しで挑む。

 吉岡調教師は76年生まれの48歳。藤岡範士厩舎、角居勝彦厩舎で経験を積み、2歳時のサートゥルナーリアを担当。19年に調教師試験に合格し、20年に開業した。ここまでJRA通算116勝。重賞は4勝。GIは7戦して未勝利だが、先週の天皇賞(春)ではブローザホーンで2着に健闘している。

 今週こそ戴冠となるか。NHKマイルCには重賞勝ち馬2頭を送り込む。ディスペランツァは前々走からマイルに転じて2連勝。とりわけ前走のアーリントンCは上がり3F32秒4をマークして、圧巻の差し切りだった。今回は初の左回りがカギとなるが、東京の長い直線は合うはずだ。もう1頭のノーブルロジャーは前々走でシンザン記念を制覇。前走の毎日杯は道悪も堪えたか、勝ったメイショウタバルには突き放されたが、2着を確保した。2戦2勝のマイルならGIでもチャンスはあるだろう。

 昨年は38勝を挙げて、自己最高のリーディング9位に躍進した吉岡調教師。さらに今年は自己最速ペースで勝利を重ね、15勝で7位につけている。機は熟した。ここで悲願のビッグタイトルをつかみ取ってみせる。

【吉岡辰弥厩舎のJRA重賞制覇】
・21年ユニコーンS・スマッシャー
・21年京都2歳S・ジャスティンロック
・24年シンザン記念・ノーブルロジャー
・24年アーリントンC・ディスペランツァ