今月31日の「世界禁煙デー」を前に、佐世保市ではパネル展が始まりました。

専門家は「禁煙には長い治療が必要でまわりのサポートも重要」と指摘しています。

WHO=世界保健機関が定める「世界禁煙デー」。

パネル展は、たばこの健康への影響や禁煙に関する正しい理解を深めてもらおうと開かれました。

がんによる死亡リスクは喫煙者の男性は、非喫煙者と比べ咽頭がんで32.5倍、肺がんで4.5倍高くなると言われます。

長崎市の重工記念長崎病院で禁煙外来を担当する門田 耕一郎 医師。

(重工記念長崎病院 門田 耕一郎医師)

「本人の意志で来る人も多いし、周りの人からの勧め、禁煙を医療従事者から勧められて来る人もいる」

患者にはカウンセリングなどを行った上で、ニコチンのガムや貼り薬などの「禁煙補助薬」を処方し、治療にあたっています。

喫煙者は、がん以外のリスクも高まると門田医師は話します。

(門田 耕一郎医師)

「がんとか脳梗塞心筋梗塞のような、急に起こってしまって一回起こってしまうと長い生活にも支障を及ぼす。あとは血圧とか糖尿病とかいわゆる生活習慣病も悪くなる」

有害性が指摘されてもなかなか止められない「たばこ」。

県内の喫煙率は、2016年時点で16.4%。男性に限ると、全国ワースト4位の35.3%で、その後は下がる傾向ではあるものの、2021年は15.8%となっています。

やめられない理由はたばこに含まれるニコチン。強い依存性があります。

(門田 耕一郎医師)

「(ニコチンが)体に入ると、ドーパミンという脳内麻薬を出す。なので、たばこを吸うと気持ちがいい。そしてほっとする言われている」

すべての人が分泌しているドーパミンは、喫煙すると大量に放出されます。

一方で、喫煙しないと出にくくなるため、求めてしまうといいます。

(門田 耕一郎医師)

「3日から10日間くらいニコチン離脱症状が起こる。意思が弱いから気のせいと言われるが、本当にイライラしたりポーッとする。」

こうしたことから、門田医師は「禁煙外来」を受診することも一つの選択肢だと話します。

ただ、長期間の治療が必要なため、まわりのサポートも重要になるそうです。

(門田 耕一郎医師)

「身近にいる家族や親友は、たばこを吸っている人の健康が大切と、いろいろな機会でたばこをやめるように言うも一つの方法」

県内では現在、39の医療機関が「禁煙外来」の新規の患者を受け付けているということです。