4月、新入社員が今年もやってきました。そこで「驚きの新入社員」の記事の中から、反響の大きかったトップ10を発表。第4位の記事はこちら!(初公開2023年9月19日 集計期間は2018年4月〜2023年12月まで 記事は取材時の状況) *  *  *

 こんにちは、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地です。

 筆者はLINE公式サービスにて、年間約1500件のペースでチャット恋愛相談を受けています。また知人経由で対面の相談を受けることも多く、性別・年齢問わずさまざまな方の恋のお悩みをうかがってきました。

 さて、昨今なにかと話題の「蛙化現象」。好きだった異性が振り向いてくれたのに、ちょっとした振る舞いがきっかけで、一気に嫌悪感を抱くようになるといった現象のことです。

 今回ご紹介する名取史親さん(仮名・23歳)は、新入社員として入社したデザイン事務所で、ある先輩女性に猛烈なアプローチを受けたことから悲劇が始まったといいます。

※この記事は本人の許可を得て掲載しています。ただし、プライバシー保護のため実際のエピソードから一部変更しています。

◆会社の先輩女性社員から…

カフェ 大学を卒業後、新卒でWEBデザインの会社に入社した史親さん。経営もこなしながら現役デザイナーとしても活躍するプレイングマネージャー的な社長を中心に、10人弱の社員が所属するデザイン事務所だったそうです。

 史親さんは新人WEBデザイナーとして先輩のアシスタント業務などから始めていたそうですが、彼の教育担当を任されていたのが、3歳年上ながら、かわいらしい雰囲気で女子大生のようにも見える桃花さん(仮名・26歳)。

「桃花さんとの出会いは衝撃的でした。初対面で『よろしくね〜』と言いながら僕の肩と腕にべったりと手を回してきて、顔の真横に彼女の鼻を近づけてきたかと思うと、『いい香り〜。シャンプーなに使ってるの?』と聞いてきたんですよ。距離感が近い人だなって、どぎまぎしちゃいました。それから2週間もしないうちに3、4回はサシ飲みに誘われて、彼女のほうから告白してきたんです」

◆情熱的な口説き文句でラブホに

 彼女の口説き文句はとても情熱的だったといいます。

「薄暗い間接照明でムードのあるバーで飲んでいるときに、桃花さんは顔を10cmぐらいのところまで近づけて来て、こう言ったんです。

『私たちって好きなアートとか映画とか音楽とかの趣味がすごく合うと思わない? 前世で絶対、親子か兄妹か恋人だったと思うよ。私ね、史親君のこと好きなの。愛してる』って。

 ただ僕は、ちいさな職場で恋愛すると仕事しづらくなると思ってるタイプだったから、ためらっていたんですよ。そしたら『私が真面目に気持ちを伝えたのに真剣に向き合ってくれないなんて失礼だよ』って、静かに、でも圧のある声色で言ってきたんです。そうまで言われたら、こっちも本気で応えなきゃって思うじゃないですか」

 桃花さんのリードでラブホに行き、愛し合った二人。社内恋愛に躊躇はあったものの、桃花さんに惹かれていたため、きちんと付き合うと決めてからはどんどん彼女にハマっていった史親さん。

◆たった2ヶ月で「蛙化現象」勃発、彼女の態度が急変

 しかし、幸せ絶頂期はごくごく短期間。それから1ヶ月ほどで陰りが見えはじめ、2ヶ月後には関係が終焉したそうです。

「桃花さんから『私たち普通の先輩・後輩の関係に戻ろう?』って言われてしまって。情けない話ですが、僕は『嫌だ嫌だ』と泣きながらすがりついたんですが、無駄でしたね。でも、彼女がどんどん冷めていくのがわかってもいたんです。たとえば、一緒にタクシーに乗ったとき、僕が運転手さんに道の説明がうまくできないとドン引きしていたし、居酒屋で手羽先を食べるのに苦戦していると呆れたように冷笑していたし。蛙化現象って中高生の女子とかによくあるものなのかなと思っていましたが、彼女の急変はまさにそんな感じでしたね」

 別れた翌日から桃花さんの態度は“私情を挟まない同僚モード”に。初対面時の馴れ馴れしさなど一切なくなり、事務的な会話を交わすのみになったんだとか。

◆次のターゲットを見つけべたべたボディタッチ

 しかも、ひと月もしないうちに史親さんの気持ちをさらに搔き乱す出来事が……。

「僕の後に中途入社で入ってきたデザイナー歴8年というアラサー男に、桃花さんがべたべたとボディタッチしているところを見てしまって……。二人で飲みにも行っていたようなので、もうカラダの関係もあるんじゃないかと、あらぬ想像をしてしまって、嫉妬で狂いそうで……。いたたまれなくなって、入社1年未満にもかかわらず、勢いで会社を辞めてしまいました」

◆過去にも5、6人の男性社員と関係を持っていた

話をする男女 退職後、なぜか事務所の女性社員の先輩2人に食事に誘われた史親さん。そこで驚きの事実を聞かされたそうです。

「これまでに桃花さんが社内で関係を持ったのは5、6人もいたそうです。付き合っていた男もいれば、カラダだけだった男もいたらしいんですが、桃花さんの振り方がひどかったり、時期がカブッていたり、他の女性社員の彼氏に手を出したりもしていたようで……。そのせいで社内の空気がヤバいぐらいギスギスして、僕のように突然辞めちゃって仕事に穴を空ける人もいて、とにかく定期的に爆弾投下していたようなんですよ。『あのアバズレ、サークルクラッシャーなんだよ』と言っていたのは印象的でしたね」

◆彼女は「サークルクラッシャー」だった!

「サークルクラッシャー」とは、サークルや部活動などの仲間内の人間関係を壊すメンバーという意味の俗語。狭義では、すぐに違う男に乗りかえたり他の女子から奪い取ったりしながら、男子メンバーと次々と恋愛関係になっていき、内部の人間関係を破壊する女子メンバーのことを言います。

 “サークル”ではないものの、確かに職場の人間関係をぐちゃぐちゃにしてきた桃花さんは、サークルクラッシャーと言える存在だったのでしょう。

 とんでもないトラブルメーカーの桃花さんが、どうしておとがめナシなのかと史親さんは不思議だったそうですが、先輩によると「もう何年も前から社長の愛人って噂もある」とのこと。彼女の存在はそのデザイン事務所で不可侵領域となっていたのでしょうか……。

<文/堺屋大地>



【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『文春オンライン』、『smartFLASH』などにコラムを寄稿。LINE公式サービス『トークCARE』では、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。X(旧Twitter):@SakaiyaDaichi