昨年、還暦を機に放送大学に入学したタレントの麻木久仁子(61)が同大学2年目の継続を決め、授業をスタートしたことを18日、報告した。昨年度第1、2学期を通して8科目を受講し、全て最高評価「マルA」を修めた麻木が学問に励んだ1年、2年目継続の理由を語った。

2010年に脳梗塞を経験し2012年に初期の乳がんが見つかった。食生活を見直し、国際薬膳師、国際中医師、温活指導士の資格を取得。さらに60歳をきっかけに、学びたいことを「今やろう」と決意した。

放送大学(文部科学省・総務省所管の通信制大学)は、4月と10月の年2回、出願書類による選考で入学可能。BS放送、ラジオ、ネットなどを通じて好きな時間に学習できることが特徴で、大学卒業(学位取得)を目指す「全科履修生」(最大10年間まで在学可能)、好きな科目だけ学べる「選科履修生」、「科目履修生」がある。

麻木は23年度の第1学期で「がんとともに生きる('18)」「フードシステムと日本農業('22)」「食と健康('18)」「食の安全('21)」、第2学期で「健康と社会('23)」「睡眠と健康('21)」「発達心理学('17)」「健康長寿のためのスポートロジー('19)」を受講した。

−還暦での大学生活

「入学する前は『大学に通うなんて無理』と思っていたのですが、放送大学には自分の好きな講義を1科目から受講できるシステムがあることを知りました。自分の生活の中で自然に学ぶことができたので、放送大学の特徴がありがたいなと実感しました。2年目も同じペースで続けて行こうと思います」

−自分で選択できる大人の学び

「自分の仕事をより深めていく上でたくさんの知識を得たい、しかも仕事と両立しなが学びたいという思いがありました。『大学で学問として学ぶ』ことを自分で主体的に選択できるのは放送大学だけなのだと思います。先日、あるタレントさんが有名私立大学法学部の通信教育課程を卒業したというニュースが流れました。私と同じ歳なのですが、その方が成し遂げられたことはすごいこと。自分の“学ぶ目的”や“学びたいという思い”にそって“学ぶ方法”を選べるのは大人の特権、自分で選択できるのが“大人の学び”だと思います」

−人生100年時代の武器は知識

「いかに寿命を延ばして健康に生きていくかと言われています。学んでみて、情報や知識があるのかないのかで、老後の生き方に差が出て来ると感じました。情報があふれている世の中だからこそ、リテラシーを見に着けることが重要だし、リスクを回避することにもつながる。学んで得た知識は人生の最後の瞬間まで武器になると感じています」

−2年目も続けようと思った理由

「まだまだ受けてみたい講義がたくさんあります。しかも、興味が湧いたらすぐに選択して受講することができるんです。2年目を終えてまた興味が湧けば3年目も続けると思います。軽い気持ちで入って気づいたら何年も放送大学に通っているという“放送大学あるある”かも(笑い)」

−今後の目標は「科目群履修認証制度(放送大学エキスパート)」の取得

「エキスパートを目標にしちゃうと、単位取得を優先しちゃうためマルAを続けられなくなっちゃうかもしれませんが、挑戦してみたいです」