今どきといえば今どきなんだろう。社内恋愛の相手と知り合ったきっかけが〈利用したマッチングアプリで近距離に出てきた〉。マッチングした相手がたまたま職場の同僚だったというわけ。

 恋愛・婚活メディアの「出会いコンパス」(ナイル運営)が8日に発表した職場での恋愛に関するアンケート調査で、そう回答したのは1.2%とごく少数とはいえ、この結果に対する反応で世代が分かれるらしい。

 恋愛、婚活事情に詳しいライターの日々晴雨氏は「既婚者が不倫に悪用するというのは論外として」と、こう続ける。

「仮にマッチングした相手が同僚だと分かったとします。昭和世代の感覚なら、たとえお互いに独身だったとしても、何となく気まずい思いをする人が多いはず。それは、まだどこかマッチングアプリに後ろめたさを感じているからです。一方で今の20代、30代は〈そういう出会いもあるかも〉ぐらいにしか感じないでしょうし、むしろ同じ職場は〈共通点のひとつ〉とポジティブに捉えるかもしれません」

 それぐらい平成世代にとってマッチングアプリは“当たり前”の存在らしい。裏を返せば、気まずさも後ろめたさもないという昭和のオジサンは気持ちが若い証拠。

「同じ会社ではないですが、マッチングした女性の職場がすぐ近くだったことがあって、ラッキーと思いましたね。だって職場近くのカフェとかで『昼休みに会いましょうか』なんて感じで気軽に誘いやすい。職場が離れているより手間もお金もかかりませんし、コスパもタイパもいいでしょ」と、あるIT企業に勤める30代マネジャーは笑うが、こんな50代証券マンの意見も。

「ひと昔前なら、まずは身近にいる女性に声をかけて、それでダメなら友人と合コン。出会い系は最後の手段って感じでしたし、いきなりマッチングアプリって順番が逆だろうって思わないでもないですね。ただ、今は手近なところで下手に声をかけるとセクハラで訴えられかねない。その点、もしマッチングアプリで職場の同僚と知り合っても、お互いに合意の上という意味ではローリスクとも言えます」

 もっとも、前出の日々晴雨氏は「いずれにせよ社内恋愛は相手の素性、収入などが分かりやすいといったメリットもある半面、別れた後の気まずさは今も昔も変わらないはず」と話す。

 冒頭の調査によると、約30%が社内恋愛の経験あり。春、出会いの季節がやって来た。