さすがに下馬評は高い。

 昨季、リーグ優勝&日本一を達成した阪神。オープン戦は最下位に沈んだものの、スポーツ各紙による開幕直前の順位予想では7割前後の評論家が優勝とした。

 リーグ屈指の投手陣を擁するなど、他球団と比べて戦力は充実しているとの見立てが多いが、チーム周辺では、地元マスコミとの関係を危惧する声があるという。

 3月16日の中日戦、岡田監督は打率.128(当時)と不振に喘ぐ佐藤輝明(25)をベンチスタートとし、代打でも起用しなかった。昨季も不調時にたびたび苦言を呈し、スタメンから外している。二軍に強制送還したことさえあった。しかも、前日15日の試合後には好機で凡退した佐藤輝に、「練習でスタンドいっても一緒や。三振は何も起きない」と苦言を呈していた。

 そんな経緯があってのスタメン落ち。懲罰的なにおいがプンプンする中、試合後、報道陣が佐藤輝のベンチスタートについて質問するや、「ベンチスタートて、使わなかっただけやんか。使わなあかんの? なんで、そこまで言わなあかんの。選手起用まで言われたらかなわんわ」などと不機嫌そうにまくし立てたものだから、この日のスタメン落ちは単なる休養ではない、と受け取る向きも少なくなかった。

 そして翌日、在阪スポーツ紙が佐藤輝のスタメン落ちをデカデカと報じると、岡田監督はウソを書かれたとして、その日から数日間、取材拒否をする事態に発展したというのだ。

「佐藤輝は1試合休んだだけでスタメンに復帰した。単なる休養だった可能性はありますが、公式戦ならともかく、あくまでオープン戦の調整段階。『今日は休養日』と一言、言っていれば、ここまで話がこじれることはなかったはずですが……」とは、在阪の野球評論家。

「岡田監督はマスコミへのサービス精神が旺盛だし、このご時世、球団の締め付けも厳しく、マスコミは球団に“忖度”した記事を書くケースも少なくない。とはいえ、記事が気に入らないからと、取材拒否をし続けるようなら、在阪マスコミとの関係が悪化しかねない。まして今季は2年契約の最終年。勝ち続ければまだしも、負けが込むようなら岡田バッシングは避けられない。阪神特有の『お家騒動』に発展しかねません」

 今季の阪神、グラウンド外が騒がしくなるかもしれない。

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