【フジサンケイレディス】(最終日)

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「川奈はこんなに易しかったかなって。そんな不思議な気持ちになりましたよ」

 こう語るのは、川奈をよく知る石井明義プロだ。

 前週の大会でツアー初優勝を遂げた竹田麗央(21)が、通算12アンダーで今季2勝目。初優勝からの2週連続Vは史上4人目の快挙だ。

「先週の初優勝で自信がつき、自分を信じてプレーできました」

 竹田がこう語ったように、初日から堂々としたプレーで3日間首位を守った。

 冒頭の石井プロが言う。

「クラブやボールが良くなったこともあるが、今の女子プロはスイング軸がブレずに飛距離は出るし、スピンコントロールもうまい。私が若い頃にてこずった川奈で、いとも簡単にバーディーを量産する。とくに竹田は下半身がしっかりしてスイングに安定感があり、起伏が激しいフェアウエーからもピンそばに乗せてくる。クラブを左に振り抜くスライス系のボールを打つから、グリーンで止めやすい。硬いグリーンやピン位置が奥の右端にあるなど、難度の高いセッティングになるほど力を発揮しそうです。今回の優勝でメルセデスランキングのトップに立ちましたし、年間女王候補の最右翼に躍り出ましたね」

 難度が高いといえば、竹田は5月27日時点で世界ランク75位以内なら、同30日開幕の全米女子オープン(ペンシルベニア州ランカスターCC)に出場できる。現在は74位。

「今年は全米女子に出たかった。多分出られると思うので、アメリカはまだ行ったことがないけど、プレーしてみたい場所でもあるので、自分のゴルフを100%出せるように頑張りたいです」

 こう言う竹田に対し、石井プロは「スケールの大きさを感じる選手です。今の力で世界の女子ゴルファーが憧れる最高峰の大会でどれだけ通用するか、ぜひ見たいですね」と言う。その前に、今週の3週連続Vへの挑戦も注目だ。