ドジャース・大谷翔平(29)の打撃がどこか物足りない。日本時間30日のダイヤモンドバックス戦は4打数2安打で5試合ぶりのマルチ。3点リードの八回無死一、二塁の好機にダメ押しの左前適時打を放ったが、二回の1死満塁機は二ゴロ併殺。好機での勝負弱さは相変わらずで、得点圏打率.194(36打数7安打、9打点)と低空飛行が続いている。

 打撃部門では打率.341(ナ・リーグ6位)、7本塁打(同4位タイ)と上位に名を連ねているものの、打点は同9位タイの19。リーグトップ31打点のブレーブスのオスナ(打率.330、9本塁打)に大きく水をあけられている。

 オスナは好機でも結果を残しており、得点圏打率.405(37打数15安打)、5本塁打、27打点。好機でのパフォーマンスの違いが打点の差に表れているが、モチベーションの差も大きいのではないか。

 ナ・リーグ東地区首位のブ軍打線を牽引するオスナは今季が4年契約の最終年で、来季は球団に選択権のあるオプション(年俸約25億円)。今年11月に34歳になるベテランは「来季以降もアトランタ(ブレーブス)でプレーしたい」と明かしている。

 地元メディアによればオスナは総額75億円規模の複数年契約を希望しているというが、長期契約を結ぶには年齢がネックとなる。

 メジャーでは衰えが顕著になりつつある35歳以上の野手との長期契約を嫌うGMが少なくない。ブ軍フロントは現状、昨季メジャー史上初の「40本塁打、70盗塁」を達成し、ナ・リーグMVPを受賞したロナルド・アクーニャJr外野手(26)が26年に8年総額約155億円契約が切れることから、今オフにも総額300億円規模の契約延長を検討しているといわれる。ブ軍のアレックス・アンソポウロスGMがアクーニャJrとの契約延長を優先すれば、年俸総額を抑えるため、オスナのオプションを破棄する可能性はある。

 キャリア晩年に差し掛かっているベテラン野手にとって今季は、来季以降を見据えた最後の稼ぎ時。やる気満々なだけに、リーグをまたいで2年連続本塁打王とMVP、三冠王を狙う大谷にとっては大きな壁になりそうだ。

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 大谷は先日、ハワイの高給リゾート地に25億円の別荘を購入したことで大きな話題を呼んだ。そんな大谷が次に資金を投じるともっぱらなのは、プロスポーツチームへの出資だという。

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