藤井聡太名人(竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖=21)が初防衛を目指して豊島将之九段(33)の挑戦を受ける、将棋の第82期名人戦7番勝負第2局が23、24日の両日、千葉県成田市「成田山新勝寺」で行われ、後手の藤井が豊島を破り、開幕2連勝とした。藤井は名人初防衛、豊島は5期ぶりの名人奪還を狙う。第3局は5月8、9日に羽田空港第1ターミナルで行われる。

戦型を相掛かりに誘導した豊島が意表を突いた。飛車を2筋から7筋へ転回させ「ひねり飛車」の構えを見せた。ひねり飛車は勝ちにくい戦法と思われているため、最近ではほとんど実戦例がない。

ひねり飛車は、豊島の師匠で「いぶし銀」のニックネームを持ち、22年に引退した桐山清澄九段(76)が愛用した戦法だ。

難解な中盤を経て、終盤は形勢が二転三転。最後まで粘りを見せたが、届かなかった。

終局後、「序盤でかなりさえなくなった。そこがマズかったと思う」と振り返った。中終盤以降について「難しくなった後も、たぶん手を指してないのでよくなかった」と反省を口にした。

かつて「ラスボス」と言われた豊島だが、これで対戦成績は11勝24敗。藤井戦は11連敗となったが、本格派の居飛車党である2人の戦いは紙一重だ。

第3局へ向け「序盤で悪くならないように、いきたい」と気持ちを切り替えた。