<日本ハム4−4ソフトバンク>◇17日◇エスコンフィールド

ソフトバンクが、北の大地で白星をつかめなかった。

新庄ハムとの対戦は延長戦に。11回に2点を勝ち越したが、その裏に守護神のロベルト・オスナ投手(29)が同点2ランを被弾。無念の延長ドローとなった。今カードは1敗1分けに終わり、今季6カード目で初の負け越し。2位ロッテとのゲーム差は1となったが、小久保裕紀監督(52)は「長いシーズン、そんなんありますよ」と気にするそぶりは見せなかった。

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「野球は2死から」と、よく言われる。勝利をほぼ確信していたホークスベンチも、痛恨の被弾を悔しそうに見上げるしかなかった。絶対的守護神が、2点リードを守れなかった。

2−2の同点で延長戦に突入。11回表1死満塁から栗原の二ゴロ併殺崩れの間に勝ち越しの1点を挙げ、続く中村晃が中前へ適時打を放って2点目を奪った。その裏、オスナが抑えれば、ロングゲームにケリがつくはずだった。

オスナはあっさり2つのアウトを取ったが、万波に右前打を許すと、続く4番マルティネスの初球。151キロ直球をすくい上げられ、左翼への同点2号2ランにされた。

「自分が求めた結果にはならなかった。(マルティネスへは)まっすぐが真ん中に入ってしまったし、(万波にも)甘い球が入ってしまった。今日の結果に関してはチームに申し訳ないと思う」。試合後、オスナは責任を痛感するように話した。

開幕からカード負け越しがなかったチームだが、この日のドローでこの2戦は1敗1分け。6カード目にして負け越した。「まあ、長いシーズンそんなこともあるでしょう」。小久保監督は一笑に付した。オスナの被弾に関しても「同点まではOKなんで。勝ち越されてはいないんでね」と信頼は揺るぎない。

白星をつかめず2位ロッテに1ゲーム差に迫られたが、光明はあった。開幕から調子が上がらなかった6番栗原が3試合連続でマルチ安打。この日も初回の右翼適時二塁打を含め、2打点と存在感を見せ始めた。「(栗原の)状態は上がってきていますし、(11回は)どんな点でもいいんでね」と、小久保監督も打撃上昇の雰囲気をしっかり感じ取ったようだ。明日19日からは本拠地ペイペイドームでオリックスと3連戦。王者を相手に、地元で仕切り直す。【佐竹英治】

以下小久保監督の一問一答

−昇格した藤井が12回に登板

小久保監督 あの流れで12回へ。エラーもあったけど、よく抑えたですよ。上がってきてあんなしびれる場面でね。心強いですね。

−先発の大関も好投

小久保監督 7回まで投げきったんで。先発としては十分です。

−日本ハム先発の福島は

小久保監督 楽しみなピッチャーですね。育成から来て。上背もあるしね。

−柳田は最後まで残していた

小久保監督 見たら、1人、2人走者が出たら、最後も回ってきそうやったんでね。

−栗原の打撃は

小久保監督 状態は上がってきています。(延長11回の1死満塁は)ほんと、どんな点でもいいんでね。

−今季初のカードの負け越し

小久保監督 長いシーズン、そんなこともあるでしょう。

○…大関が7回4安打2失点と好投も、1球を悔やんだ。2−0の2回1死二塁。日本ハム6石井に同点2ランを浴びた。初球、真ん中低めへのスライダーを右翼へ運ばれた。「初回に2点の援護をもらって、すぐに追いつかれてしまったところは反省しないといけない」。ただ、3回以降は無失点に抑え「しっかりと投げることはできた」と先発の役目は果たした。

○…栗原が3試合連続の複数安打で復調を印象づけた。1−0の初回1死一、二塁。日本ハム福島の148キロ直球を仕留め、右翼へ適時二塁打を放った。「チャンスを生かす打撃ができた」。7回には左前打でこの日2本目。2−2で迎えた延長11回1死満塁では二ゴロの併殺崩れで1点を勝ち越した。これで直近3試合は12打数6安打と、当たりを取り戻してきた。

▽ソフトバンク中村晃(延長11回にチーム4点目の適時打)「もう1点あった方が絶対にいいと思ったので、何とか打ちたいと思っていた。(打撃は)いい集中力で打席に立てているので、続けていければ」