「ハマの大砲」が横浜に帰ってきた。20年からのメジャー挑戦を経て、DeNAに復帰した筒香嘉智外野手(32)が18日、本拠地・横浜スタジアムで公開入団記者会見に出席した。

約9600人のファンが傘やレインコートで雨をしのぎながら筒香タオルやユニホームを掲げて、おなじみの応援歌を熱唱。サプライズで登場した三浦大輔監督(50)から背番号25のユニホームを手渡され、5年ぶりにDeNAのユニホームに袖を通した。

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筒香が雨の中で集まった約9600人のファンを見渡した。「おかえりー!」と熱烈な歓迎を受けながらなじみのある応援歌に聴き入る。「正直、かなり鳥肌が立っています。大好きな応援歌ですので、久々に聴けて興奮しています」と気持ちを高ぶらせた。

5年ぶりの古巣復帰。決断の理由はいたってシンプルだった。「僕は常に野球がうまくなる方を選んで、選択をしてきたつもりです。その中でベイスターズで優勝したいという思いが、日本でプレーをするモチベーションになりました」。野球がうまくなりたい。横浜で優勝したい。日本復帰を決めてからは、DeNAファンが待ちわびる声も耳に入った。入団時には空席が目立ったハマスタも、今ではぎっしり埋まる。ファンの存在に感謝し「満員の中でプレーできるのは選手として非常に幸せなこと」とかみしめた。

もう1つ、心を動かされた存在があった。米挑戦後も、毎年南場オーナーから熱いメッセージが届いた。詳細は「僕の中で非常に大切な言葉でしたので、心の中にとどめさせていただけたら」と明かさずも「心を動かされるような言葉をかけていただき感謝しています。南場オーナーが目標に掲げている横浜で優勝というものに一緒のピースとして一生懸命頑張りたい」と覚悟が決まった。

見据える先はもう前しかない。米国で過ごした4年は思うような成績ではなかったが、かけがえのない財産になった。「生きるか死ぬか、毎日が勝負の日々でした」。結果を受け入れ、自分と向き合い、野球がうまくなるために身をささげる。その姿勢は変わらない。「過去のことを振り返っている時間もない。今はベイスターズのために必死に頑張るだけ。変わらず自分のパフォーマンスでポジションを取りにいくだけ」と言った。

順調に調整が進めば最短で4月中の1軍合流を視野に入れる。「シーズンが終わった後に、皆さまと一緒に喜び合えるよう、精いっぱい頑張ります」。26年ぶりの歓喜へ。筒香が横浜で横浜の夢をかなえる。【小早川宗一郎】

○…三浦監督が筒香の公開入団記者会見にサプライズ登場した。背番号25のユニホームを手渡し「やはり横浜スタジアムが似合う男だなと思います。大きな柱となって、チームの起爆剤となって突っ走ってもらいたいと思います」と期待を込めた。雨が降りしきる中の登場で「すみません、雨を降らしてしまいまして…(笑い)。来るのやめようかなと思ったんですけど」と雨男ぶりを遺憾なく発揮。筒香はジャイアンツ退団後に「『おい、帰ってこいよ。じゃあまたな』と15秒くらいで電話が終わりました」と、指揮官から電話でラブコールを受けていたことをモノマネしながら明かし「三浦さん以上に横浜スタジアムが似合う男になれるように頑張ります」と気合を入れた。

○…チームメートたちが筒香の入団会見を見届けた。広島からの移動日のこの日、かつてともにプレーした桑原、山崎、柴田が一塁側ベンチに駆けつけた。山崎は筒香の復帰に「優勝するために戻ってきてくれたと思ってる。早く次に会えるのが楽しみ」と心待ちにしており、1学年先輩の姿に拍手を送った。