<全日本大学野球選手権:早大6−2九産大>◇13日◇準々決勝◇神宮

早大(東京6大学)が九産大(福岡6大学)に快勝し、同大会で優勝した15年以来9年ぶりの4強進出を決めた。今春にリーグ戦デビューの2年生左腕、宮城誇南投手(浦和学院)が、2試合19安打10得点の九産大打線を6回1失点に抑えた。連覇を狙う青学大(東都)は中京大(愛知)を下し、2年連続の4強入り。天理大(阪神)は帝京大(首都)に完封勝ち。東日本国際大(南東北)はタイブレークの末、逆転で上武大(関甲新学生)を下した。

   ◇   ◇   ◇

センバツ4強左腕が、大学でも全国大会初白星を挙げた。大学入学からを振り返り「思うようにいかない時期が続いていたので」と感慨深そうに話す19歳が、ようやく笑った。先発を任された相手は2試合19安打10得点の九産大。スプリット、カットボールを軸に打たせて取る投球で、5回まで危なげなかった。テンポ良くアウトを積み重ねた。

勝利のポイントは6回。2死満塁で遊撃失策の間に1失点も「守備の名手と言われる山縣さんが珍しくミスしてしまったところがあったので」と、先輩の攻めた結果をカバー。「1つギアを上げました」と次打者に139キロ直球を投げ込み、狙い通りの空振り三振でピンチを切り抜けた。

浦和学院(埼玉)ではエースとして名をはせた。大学入学後しばらくは左肩痛に悩まされ、1年時はリーグ戦未登板に終わった。「同級生がどんどんデビューを飾る中、自分だけ取り残されている。焦りもありましたし、しんどい時期だったのかな」。一から体づくりに励み、フォームを見直し、辛抱強くウエートに取り組んだことで、万全の状態で投げられるようになった。憧れは同じ経歴をたどるロッテ小島。あと2勝して、9年前の先輩と同じように日本一のピースとなる。【佐瀬百合子】

◆宮城誇南(みやぎ・こなん)2004年(平16)9月5日生まれ。沖縄県読谷村出身。読谷ボーイズから浦和学院(埼玉)に進学。エースとして22年センバツ4強入りに貢献。早大では今春リーグ戦デビュー。先発で5試合に投げ、防御率2・42、2勝2敗。好きな選手はロッテ小島とオリックス宮城。最速146キロ。好きな言葉は「なんくるないさぁ」。特技は陸上と整理整頓。174センチ、77キロ。左投げ左打ち。