5月6日に東京ドームで行われるプロボクシング4大世界戦の会見が4日、横浜市内のホテルで行われた。メインイベントで4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(31=大橋)に挑むWBC同級1位ルイス・ネリ(29=メキシコ)は「すでに体重はリミット(55・3キロ)内」と発言。懸案の減量が順調であることを強調した。

サングラスをかけて壇上に上がったネリのほおはこけ、首も細くなっていた。「この試合が決まってとても充実した日々を送ってきた。練習もパーフェクトにやってきた。体重もリミットにある」。絞り込まれた体は、服の上からでもはっきりと分かった。

元WBC世界バンタム級王者の山中慎介と2度対戦して、王座を奪取した17年の初戦は試合後にドーピング違反が発覚。18年の防衛戦は計量で1キロ以上もオーバーした前科がある。関係者によると今回は試合後だけではなく、試合前も複数回のドーピング検査を受けているという。

「メキシカンのボクサーとしての雄姿を見せたい。井上選手がどんなボクサーかは分かっている。死を覚悟して試合に臨む。勝者になることを確信している。必ずKOで勝つ」。ニックネームでもある“悪童”を会見では完全封印。静かなる闘志と覚悟が不気味だった。【首藤正徳】