<プロボクシング:WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U−NEXT>◇4日◇東京・後楽園ホール

元アジア2冠王者の豊嶋亮太(28=帝拳)が日本ウエルター級王座を初奪取した。3度目の防衛戦だった同級王者坂井祥紀(33=横浜光)に挑戦し、2−1(94−96、96−94×2)の判定勝利を収め、新王者となった。21年12月に当時の東洋太平洋、WBOアジア・パシフィック同級王者として判定勝ちしていた坂井との立場を入れ替えた再戦を制した。

挑戦者らしく序盤から左ジャブからの右ストレートで攻め込み、距離を詰めた。右アッパー、右ストレートで応戦した坂井に対し、左フックで反撃。5回終了時の公開採点で1−2とリードされていると分かると、プレッシャーを強めるように接近戦を仕掛け、左フックや左ボディーで攻め続けた。ボディーの打ち合いにも負けず、最後に競り勝った。

昨年1月に佐々木尽(八王子中屋)に敗れてから約1年4カ月ぶりにタイトルを手にした。日本王座初獲得となる豊嶋は「ボクサーが登龍門を越えたところにある日本王座。指名挑戦者として王道を取れた。一生分の財産だと思う。攻めないと勝てないぞと言われ、切り替えられた。ハンドスピードなど総合的に勝った感じ」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

これで再び世界への道を進める立場に立てた。「今の僕は下山して、もう1度、山を登ろうとしている。1つ1つの積み重ねになる」と着実にステップを踏む意向を口にした。試合内容にも満足しておらず「この試合は大切でしたが、根比べになってしまった。やりたいことが全くできていない」と反省も忘れなかった。