<プロボクシング:WBO世界バンタム級タイトルマッチ12回戦>◇6日◇東京ドーム

元K−1スーパーバンタム級王者で、現WBO世界バンタム級5位の武居由樹(27=大橋)が、初挑戦で世界王座奪取に成功した。

2度目の防衛戦となった同級王者ジェーソン・モロニー(33=オーストラリア)に挑戦。3−0の判定勝ち(116−111、116−111、117−110)を収め、日本ボクシングコミッション(JBC)公認の日本ジム所属100人目となる節目の世界王者となった。

記念すべき1人目は1952年(昭27)5月19日、東京ドームの前身の後楽園球場で行われた世界フライ級タイトルマッチで、挑戦者の白井義男(カーン)。王者ダド・マリノ(米国)に判定勝ちし、日本人初の世界王者になってから72年の時を経て、大台に到達した。

4日に大阪で行われたIBF世界バンタム級タイトルマッチで、西田凌佑(27=六島)が王者エマヌエル・ロドリゲス(31=プエルトリコ)に判定勝ちして9戦目で世界王座を奪取し、99人目の世界王者になっていた。

バンタム級の日本人独占も果たした。井上尚弥(31=大橋)が統一後、返上したベルトは西田のIBF、この日の1試合前で防衛に成功したWBAの井上拓真(28=大橋)と、WBCの中谷潤人(26=M・T)と主要4団体のベルトを日本人ボクサーが占めた。

最後のピースとなった武居は20年12月のK−1スーパーバンタム級王座返上、そしてK−1卒業から約3年5カ月に大願成就。ボクシング転向から8勝8KOで迎えた9戦目での世界初挑戦でベルトをつかみ、K−1王者で史上初のボクシング世界王者にもなった。

試合後、リング上で「足立区から来た武居が東京ドームで世界チャンピオンになりました」と第一声。判定で自身の名を聞いた瞬間の気持ちを尋ねられると「いや、もうホントに。12ラウンド、結構きつくて、ホントはKOで勝ちたかったんですけど、ホントにモロニー選手がホント強くて、やっぱ試合前から、やっぱ強いって分かってたから、ホントに必死に練習できたし、モロニー選手のおかげで強くなりました。モロニー選手、ありがとうございました」と相手への感謝を繰り返し、謙虚に戴冠をかみしめていた。