総合格闘界のホープ鶴屋怜(22=THE BLACKBELT JAPAN)が異例ずくめのUFCデビュー戦を迎える。29日(日本時間30日)、米ネバダ州ラスベガスのT−モバイルアリーナで開催されるUFC303大会でカルロス・ヘルナンデス(30=米国)とのフライ級5分3回を控える。選手の実績などでナンバーシリーズ、ファイトナイトと2区分される現在のUFCで、いきなりトップのナンバーシリーズに抜てき。2万人収容可能な本場のビッグ会場でデビュー戦が組まれることも異例と言える。

27日までに日刊スポーツのインタビューに応じた鶴屋は現地入り後、会場となるT−モバイルアリーナを外から視察したという。「最初は、いきなりそんなにでかい会場で『マジか』と。ナンバーシリーズに出られること自体がすごいことだと思う。そこでしっかりと自分を印象づけたい。これだけたくさんの人が入る会場で試合したことがないので、自分の感情がどうなるか分からないが、むちゃくちゃ楽しみ」と声をはずませた。

またセコンドにはUFCと親会社が同じWWEのスーパースター中邑真輔(44)のセコンド入りが内定しているという。マッチメークの流れ、他選手の出場タイミングの兼ね合いなどもあるとはいえ、トップのナンバーシリーズ大会への抜てき、ビッグ会場で組まれたカード、そして中邑のセコンドと異例ずくめのUFCデビュー。期待の大きさがうかがえる。

対戦するヘルナンデスは先にUFCで活躍する同じチームのフライ級15位平良達郎(24=THE BLACKBELT JAPAN)と昨年12月に対戦し、一本負けしている。現時点の自らの実力を証明できる相手となる。鶴屋は「(ヘルナンデスは)主に打撃の選手かなと。結構、テークダウンも狙ってくる選手で、意外とオールラウンドなんだなと。本当はランカーとやりたかったし、逆においしいなと思った。自分が1ラウンドで勝ったら評価も上がる」とプラス思考だ。

23年から約1年間かけてUFCとの契約権を目指して戦うトーナメント、ROAD TO UFCシーズン2のフライ級を制覇。今年2月の決勝以後、関節技など「極め」のトレーニングを積んできたという。鶴屋は「この1カ月は極めの練習をしてきた。極めはかなり強くなったし、極められるようになった。試合でもしっかりと極められるのではないか。1ラウンドでフィニッシュする。極めでも、上からパウンドでKOでも、フィニッシュしたい。鶴屋怜が強いという格の違いをみせたい」と自信満々。堂々たるUFCデビューでインパクトを残すつもりでいる。