アシックスとJ3FC今治は23日、都内で会見し、ホーム今治里山スタジアムのネーミングライツ(命名権)契約記者発表会を行った。呼称は「アシックス里山スタジアム」で、略称は「アシさと」。ロゴマークも含めた使用期間は5月1日から29年1月31日までとなる。

登壇した今治の岡田武史会長(67=日本サッカー協会副会長)とアシックスの広田康人会長CEO(67)は、同じ1956年(昭31)の生まれで、早稲田大(早大)政治経済学部をこちらも同じく80年に卒業した同期生。22年から両者はユニホームサプライヤー契約を締結しており、同年から健康増進プログラムも実施してきた。

その中で里山Sの命名権も取得した広田会長は「誰もが一生涯、心身ともに健康な世の中を。実証実験の場として、スタジアムを核としたランニングやウオーキングのイベントなどを実施してきましたが、さらにサッカーを核として健康や環境について広い取り組みをしていく。今治さんの理念に共感して、ぜひネーミングライツをいただきたいと。より関係を深めていければ」とあいさつ。続けて「あとはJ2に上がってもらうだけですね」と笑顔で“厳命”した。

岡田会長も「その暁にはネーミングライツを永久に取っていただきたい」と返しつつ「J3の身でありながら、全国的な、世界的な企業と協業できて光栄。最高のマッチングができた。(フットボールのウエアやシューズで)日本のNO・1を目指すアシックスさんが今、Jリーグのクラブと契約しているのは昨季J1王者の神戸と、うちだけ。早くJ3から上がって差を埋めていきたい」と約束した。

新たに決まり、人と地域の「つながり」を表現した「アシックス里山スタジアム」のロゴマークも公開された。5月6日には、J3第13節のFC今治−カターレ富山戦を「アシックスマッチデー」に。来場者に記念Tシャツが配布される。

広田会長は「アシさとクラブ」の発足も公表し「運動プログラムや計測コンテンツを提供していきたい。コミュニティー全体の健康増進を図っていく。世界にも打って出る、きっかけにしたい」。岡田会長も「10年でJ1(当初は25年までの目標)は実現できなかったけれど、新たに30年までにJ1で活躍できるチームにしたい。1年でも早く昇格していきたい」と、アシックスとの新たな道を描き直した。

自前で建てた新スタジアムをJ2で迎えるプランは昨季4位でかなわなかったが、まずはネーミングライツ元年の今季、J2昇格を果たす。チームは現在3位につけている。【木下淳】