U−23アジアカップ(杯)カタール大会で優勝した日本代表が4日深夜、カタールから帰国した。大岩剛監督(51)ら選手は優勝メダルを胸にかけ、副主将のMF松木玖生(21=東京)が優勝トロフィーを持って到着ゲートから姿を見せた。集まったサポーターからは、パリオリンピック(五輪)出場と優勝を祝福する拍手が起こった。

同行していた日本サッカー協会の山本昌邦ナショナルチームダイレクター(ND=66)は「コーチングスタッフが選手をうまく温存しながら、全員使える状況で準々決勝を迎えられたのが戦略的にうまくいった最大の要因。選手の負傷もない状態で決勝まで持ってこられたのは、マネジメントの大成功」と分析した。

今回は国際Aマッチデー外の大会で、海外組の招集が困難だった中、山本NDは当初から「危機感しかない」と言い続けてきた。だがオーストラリア、韓国、サウジアラビアが五輪切符を逃した中で、しっかりとパリ出場権をつかんだ。「危機感しかないと言っていたのですが、終わってみれば我々が連続出場。重圧を選手が乗り越えてくれて、選手が6試合で成長した」と評した。

今大会は当初の1月開催から4月に延期となったことで、五輪までの準備期間はこれまでと比べて短い。今後は、パリ五輪のメンバー18人を選ぶ大きな仕事が控える。「一番大事なのは、本番にどれだけいい戦力を整えられるか。6月のシリーズ(親善試合)では無理する必要はない。本番の7月が重要」とした。

欧州のシーズンは5月末に終わり、6月から移籍市場が活発になる。今月中にラージリスト50人の提出期限があり「移籍の情報収集、ミーティングのスケジュールを組んで。18人の登録期限も決まっているので。節目節目をクリアしていかないといけない」と話した。

東京五輪では、6月の親善試合でオーバーエージ(OA)の選手も合流していた。今回の6月の親善試合についてA代表の森保一監督は、既にW杯アジア最終予選の進出が決まっている同代表の選手をU−23の活動に送ることに全面協力する姿勢を明言している。山本NDは「2次予選の突破が決まっているのはメリット」と話した。