<ラグビー・リーグワン1部:静岡20−59BL東京>◇第16節(最終節)◇5日◇磐田・ヤマハスタジアム

静岡ブルーレヴズが最終戦を白星で飾れなかった。ホームに2位BL東京を迎えて20−59と惨敗。2日に今季限りでの現役引退を表明した元日本代表SH矢富勇毅(39)の引退試合に花を添えられなかった。矢富勇は先発出場し、後半途中までプレー。鋭いパスで今季最多1万3814人の観客を魅了した。

レジェンドは試合後「トライも狙っていた」と、あと少しで独走トライかという場面も演出するなど、ピッチを暴れ回った。弟のCTB洋則との共演も期待されたが、後半19分に兄が交代。同時に弟がプレーインし、ピッチ上でハグを交わして「お疲れさま」とねぎらわれた。引退セレモニーでは、涙ぐみながら17季をかみしめ「1つ1つが財産になり、この歳までできた」と、かかわった人すべてに感謝した。

試合は強敵に先手を奪われ、前半途中までに0−19。それでも同26分、FB山口楓斗(24)のトライで反撃を開始。9点差に追い上げて折り返した。ところが後半、攻勢を強めた相手に得点を許し、10点を返すのがやっと。終盤には立て続けにトライを奪われ、終わってみれば39点差をつけられた。

チームは3年連続の8位で今季を終了。就任6カ月の藤井雄一郎監督(54)は順位について「不本意」と唇をかんだ一方で、「来季はトップ4を狙える感触を得た」と、手ごたえも口にした。今季の反省をオフの練習に生かし、持ち越した日本一の目標に向け、強度を高めていく。【倉橋徹也】