B1仙台89ERSが8日、藤田弘輝ヘッドコーチ(HC=38)の6月いっぱいでの退任と、7月より落合嘉郎アシスタントコーチ(AC=41)の新HC就任を発表した。仙台国際ホテルで就任会見が行われ、志村雄彦代表取締役社長(41)と落合新HCが出席し、就任の経緯や今後の展望などを語った。

志村社長は冒頭、22年に6季ぶりB1へ昇格させ、今季クラブB1史上最高成績に導いた藤田HCへ感謝の言葉を述べた。続けて「クラブのカルチャーである『Grind!』を体現してくれる」と落合新HCの就任経緯を説明した。新指揮官は宮城県出身で、18年7月にチームのACに就任。これまで育成チームや大学での指揮経験はあるが、Bリーグは初挑戦。「地元仙台に恩返しができる」と喜び、「チームのカルチャーを絶対に崩さずに継承していきたい。プラスアルファ、見ている人が楽しくなるような早い展開のバスケットをつくっていきたい」と意気込んだ。

来季はクラブ創立20周年の節目を迎える。落合新HCは「クラブが20年の歴史を築いてくれたおかげで今の自分がいる」と感謝。チームは26年度から改革される「Bプレミア」での日本一を目指す。「誰も見たことのない景色。この1、2年どう過ごすかが大事なので、まずは優勝争いをするチームにしなくてはいけない。気持ちを強く、ビジョンを持ってやっていきたい」と力を込めた。【木村有優】

◆落合嘉郎(おちあい・よしろう)1982年(昭57)8月13日、宮城県生まれ。片平丁小3年時にミニバスを始め、五橋中、仙台高を経て白鴎大に。05−09年、13−18年同大ACや監督、09−13年リンク栃木ブレックス(現宇都宮ブレックス)下部育成チームHCなどを経て18年7月に仙台ACに就任。24年7月から初のBリーグHCに挑戦する。

◆Grind(グラインド) 2018−19シーズンからチームスローガンとして掲げる。「コツコツ」や「一生懸命に何かをする」という意味を持ち、「どんなに苦しい状況であっても、歩みを止めず、粘り強く泥くさく乗り越えてやってやろう!」という想いが込められている。