◆競泳・パリ五輪代表選考会 第2日(18日、東京アクアティクスセンター)

 女子100メートルバタフライの決勝では、池江璃花子(横浜ゴム)が派遣標準記録を破る57秒30をマークして2位となり、今夏のパリ五輪代表を内定させた。五輪代表は3大会連続で、個人種目では2016年のリオデジャネイロ大会以来8年ぶり。1位は56秒91で平井瑞希(アリーナつきみ野SC)で初の名誉に輝き、両選手が切符をつかんだ。

 男子400メートル個人メドレー決勝では18歳の松下知之(スウィン宇都宮)が4分10秒04の1位で初の代表入りを決めた。瀬戸大也(CHARIS)は2位に入ったが、派遣標準記録に届かず、この種目での代表入りを逃した。第2日は3選手がパリ行きを決めた。

◆池江璃花子 悔しさから笑み…次ページ

 ◆池江「順位は負けたけどすごく満足」

 ゴール直後の池江はしばし東京アクアティクスセンターの天井を見つめて悔しそうな表情を浮かべた。前半からレースを引っ張り最後の最後に平井に逆転を許した。それでも目指していたパリ行きを決めただけに、プールサイドに上がると、笑みを浮かべた。「本当に言葉にならないぐらいうれしい。自分の目標であるパリへの切符をつかんだ。順位は負けてしまったけど、もうそれですごく満足もしている」とうなずいた。

 もちろん、このままではいられない。本番を見据えて一層闘志をかき立てられた様子だ。「復帰した時も100のバタフライで高校生に負けることが何度もあった。(その時は)もう2度と、私に勝てることはないよ、という気持ちで練習に取り組んできた。あらためてその気持ちを強く持って、また(拠点の)オーストラリアに戻ってしっかり強化して、悔いのないようなパリの結果を出していきたい」と決意を込めた。

◆瀬戸大也「本命」種目で…次ページ

 ◆瀬戸失速「ちょっと何も言えない」

 今年2月のドーハ世界選手権の男子400メートル個人メドレーで銅メダルを獲得した瀬戸は、まさかの結果となった。午前中に行われた予選もトップ通過。決勝も序盤からレースをけん引したが、後半の伸びを欠いた。最後の自由形でも追い込むことはできなかった。「一番最後にばててしまった。調子は良かったので4分7秒とかを目指していたが、後半ちょっときつくなった。自由形も思うように体が動かず。派遣に届かなかったので、ちょっと何とも言えない」と苦笑いした。

 「本命」としていた種目でまさかの結末を迎えてしまったが、今大会は200メートル個人メドレーと200メートルバタフライにもエントリー。「まだ種目はある。違い種目で代表を目指して頑張る」と気持ちを切り替えていた。

 個人種目の選考は、決勝で日本水連が独自に定めた派遣標準記録を突破して、上位2人に入れば代表決定。リレー種目は4人の合計タイムで派遣標準をクリアする必要がある。最終日は24日。