◆YBCルヴァン・カップ2回戦 松本1―1(PK2―4)福岡(17日、サンプロアルウィン)

 冷涼な敵地で井上が熱い雄たけびを上げた。0―1の後半、コーナーからのボールに飛び込んで同点ヘッド。前半のオウンゴールでの失点に絡んでいただけに喜びもひとしおだった。

 昨年の同カップを制してクラブ史上初となるタイトルを獲得。ユニホームには王者を示す星が付けられ、連覇を狙う権利を持って臨んだ初戦だ。相手は格下のJ3で、負けられない重圧も背負いながらの戦いだった。

 それでも長谷部監督は平常心を強調し松本へ乗り込んだ。「(前年王者の意識は)全くない。カテゴリーの違うチームとの試合へ油断することなく、いつも通りに戦わないといけないが、あまり心配していない」と選手に全幅の信頼を寄せた。

 警戒は敵地の熱狂的なサポーターがつくる独特の雰囲気に向けた。長谷部監督就任初年の2020年も苦杯をなめており「あのスタジアムで松本さんと戦うのは非常に難しい」としていた過去1勝の難敵との一戦。PK戦の末に撃破して「勝ったことで次に進めてよかった」と結果にはうなずいた。

(山田孝人)