◆西武0―4ソフトバンク(5日、ベルーナドーム)

 子どもたちの「ヒーロー」が久々に会心の笑みを浮かべた。1点リードの4回。柳田悠岐が右翼ポール際へ4号ソロを放り込んだ。隅田知一郎が投じた初球の厳しい内角直球を捉えた5月初アーチに「いいスイングができた。完璧」と手応えを口にした。

 4月は打率3割3分3厘、21打点、3本塁打と首位快走の原動力となったが、5月の3連敗中は12打数無安打7三振。その借りを返すかのように7回1死満塁でも本田圭佑のシンカーを中前に運ぶ2点打。「チャンスを生かせた」と声を弾ませた。

 今カードは中軸を組む山川穂高と近藤健介も西武の強力先発陣に苦しみ、今季初の同一カード3連敗の危機に直面していた。「負けていたので。投手は頑張ってくれている。何とかまず一つ取りたい」。柳田もスイングとタイミングを見直して臨んだ。

 いきなり初回に隅田から遊撃内野安打。山川の適時二塁打で一気に先制のホームを踏んだ。3安打3打点で連敗ストップに貢献した主砲を、小久保裕紀監督は「しっかり活躍してくれたら当然点も入る。(試合を)有利に進められる」とたたえた。

 投手陣も5人の継投がはまり、今季4度目の零封勝ち。こどもの日は2014年から2分けを挟んで8連勝だ。「たくさんのこどもが見てくれている。ぜひ野球を始めてほしい」。柳田はヒーローインタビューで呼びかけた。(末継智章)