大阪への旅行を計画すると、大阪出身者にわりとよく言われるのが「観るとこ、なんもないで」。本当だろうか。複雑極まる梅田ダンジョンやタイガースが優勝するたびに生中継される難波・道頓堀、ディープな下町・新世界に、ど真ん中に鎮座する大阪城、それにユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下USJ)。そこに住む人にとっては日常でも、よそ者にはワクワクするような街だ。鉄板は、USJで1日遊んで、翌日は市内観光の二泊三日。拠点にするなら、ハードに遊んだあとでもくつろげる場所で、何より、融通の効く宿がいい。

「民泊はいかがですか?当社は、昨年(2023年)末に『eni.konohana』という戸建ての都市型バケーションレンタル施設をオープンしました。場所は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンから1駅のJRゆめ咲線・安治川口駅。最大12名様までご利用できますよ」

一軒家をまるごと借りて、大阪大冒険の拠点に……?こんな耳寄り情報を教えてくれたのは、大阪を中心に民泊施設を運営する株式会社LDKプロジェクトの代表取締役、生田博之さんだ。「eni.konohana」は、同社が手がける「eni.シリーズ」というブランドのひとつ。

「『eni.シリーズ』は、“絵になる、縁になる、笑(顔)になる”がキーワード。都会の中のリゾート地というコンセプトのもと、民泊でいいや、ではなく、民泊がいい、と選ばれる場所を作るべく、運営をスタートしました。同じシリーズでは、南堀江にも『eni.minamihorie』という民泊を運営中です。こちらは一軒家ではなく、集合住宅内にあります」

ここであらためて民泊についておさらいしよう。ホテルや旅館、民宿といった一般的な宿泊施設は、厚生労働省管轄の「旅館業法」の許可が必要だ。

一方、民泊は住宅を旅行者などへ提供するサービスのことで、国土交通省、厚生労働省、観光庁の所轄にあたる。原則として年間180日以内という営業日数制限が定められているが、例外としてこの営業日数制限に上限を設けないのが、内閣府主導の「国家戦略特区法」で定められた特区民泊だ。対象は大阪市内を含む一部の地域で、一度の宿泊が二泊三日以上の滞在であることが条件。

よって、特区民泊の指定を受けている「eni.konohana」は、最低宿泊日数が二泊三日。大阪の街をたっぷり堪能したい旅行者にうってつけである。

「スタッフが常駐しないことにより、お客様だけの空間として気兼ねなくゆっくりご滞在いただけるのも、民泊のよさです。とくに『eni.シリーズ』は都会でリゾート気分を味わっていただくことにこだわり、くつろげる空間づくりを考えて設計しました。思い出に残したくなる世界観を目指して、インテリアにもこだわっているんです」

3階建ての一軒家の間取りは、いわゆる4LDK。乗用車1台分の駐車スペースがある。

「都会でリゾート気分を味わっていただく、というテーマから、海辺に住んでいるサーファーの女の子のおうちをイメージしてインテリアをあつらえました。日当たりがとてもいいおうちなので、それを活かし、明るく清潔感のある爽やかな水色をポイントカラーにしています。リビングスペースに飾られた『eni.』のロゴ入りサーフボードは、サーファーの友人やお店の方に相談しながら選んだこの部屋のアイコン。このボードをバックに、ゲストのみなさまに楽しい思い出の写真を撮っていただけたらうれしいです」

「また、最大12名のゲストにご宿泊いただけるおうちなので、大きめのダイニングテーブルとリビングスペースがゆるやかにつながるよう家具を配置したり、1階の洗面台も2ボウルにしたりと、大勢で過ごすシーンを想定して設計しています」

ちなみに、洗面台のミラーは光る。出かける前の支度から気分を盛り上げたいという粋な計らいだ。旅行者はここから観光に出かけるが、在阪の地元民にも活用方法がたくさんある。

たとえば、仮装好きな友人とUSJへ出かける前の準備に活用してもいい。前泊してたっぷり友達と仮装話に花を咲かせて本番の仮装リハーサルをしつつ、2日目は早朝から準備を行え、営業時間前にUSJへ辿り着くことができる。丸一日たっぷり遊んだあとは、戦利品を見せ合いっこしたり、次なる仮装のアイデアを出し合ったりと、夜通し語り合おう。

また、在阪者ならあえて出かけないという選択もありだ。忙しない日常から離れ、二泊三日をただただのんびり過ごしてみる。海外ドラマ好きと集まってリビングのテレビでシリーズを一気見するほか、おすすめの漫画や小説を持ち寄ってみんなでまわし読みしたり、美容に関心の高い仲間たちとコスメ研究&ストレッチ大会を催すのも有意義だろう。

大人数で他人の目を気にせず、自由に使えるのが「eni.konohana」だ。

宿泊料金は二泊三日で、一泊あたり2万5000円から。ダイナミックプライシングに対応しており、料金は宿泊のタイミングにより変動するため、詳しくは公式サイトを確認してほしい。原則として利用人数により加算されるが、総宿泊人数が8名以内であれば追加料金はかからない。つまり、大人2名での利用、6歳から12歳までの子どもがふたりいる2家族での利用、大人8名での利用が、すべて同じ料金だ。大人の頭数で割り勘にすると、さらにお得感が高い。

「大阪市内の観光地へアクセスのいい物件ですが、観光だけでなくご友人やご家族とゆっくり過ごすことも目的のひとつに加えていただけると幸いです。さらに、今後も『eni.』のコンセプトをもとにオープンを計画していますので、ご期待ください!」

まるで、大阪・此花区に、ひと声かければいつでも泊まりに行ける場所ができたような気分!気心知れたオシャレな友人の自宅へ遊びに行くような感覚で、「eni.konohana」を利用してみたい。