作家の乙武洋匡氏(48)が8日、都内で出馬表明会見を開き、衆院東京15区補欠選挙に無所属で出馬すると表明した。会見中には自ら過去の不祥事に触れ、反省の言葉を口にした。

 電動車いすに乗って登場した乙武氏は「東京15区補選におきまして、無所属で立候補する決意を固めましたことをご報告させていただきます」と説明。無所属で出馬するとし「現時点ではどの政党にも推薦依頼は出しておりません」と強調した。

 乙武氏は2016年の参院選に自民党公認で出馬を進めていたが、週刊誌に不倫問題を報じられ断念した。この日の会見では自らその話題に触れ、「8年前の私の私生活におけるできごとは、今振り返っても恥じ入ることばかりですし、深く反省もしています。多くの皆さまの信頼を失いご迷惑をおかけもしました。あらためて深くお詫びしたいと思っています」と反省した。

 選挙をする上で懸念材料となるこの問題についてどのように対処するのか記者から問われると、「まず私の方で申し上げなければならないのは、過去は変えられないということです」と恐縮気味に説明。一方で、女性問題の一部報道内容が事実と異なるとし「5股と書かれてるところが結構多いですけども、5股ではないです」と自ら訂正。「15年間の結婚生活で5人ということなので、5人同時ということではない。そこは事実関係としては違うということだけは申し上げておきたい」と指摘した。

 「ただ、難しいなぁと思っているのは…」と言葉をつまらせながら、「8年前の私生活のことで、もちろん私自身は反省をしなければならないんですけど、再チャレンジが許されないと、人生の再起というものが許さない社会になってしまう。逆にどうしたら償うことができるのか、お許しいただくことができるのか私が聞きたいくらい」と胸中を吐露した。

 同区からはこのほか、立憲民主党の酒井菜摘氏、日本維新の会の金沢結衣氏、共産党の小堤東氏、参政党の吉川里奈氏、日本保守党の飯山陽氏、元自民衆院議員の秋元司氏、参院議員の須藤元気氏が出馬を表明している。

 衆議院の補欠選挙は東京15区、島根1区、長崎3区の3選挙区で行われる。今月16日に告示、28日に投開票の予定。