テレビ朝日系ドラマ『君とゆきて咲く〜新選組青春録〜』(毎週水曜 深0:15 ※一部地域を除く)が4月24日からスタートした。前田拳太郎が取材会を実施。見どころ満載となる作品について語った。

 『君とゆきて咲く〜新選組青春録〜』は、手塚治虫氏の隠れた名作『新選組』を初映像化し、2クール連続で放送する一大プロジェクト。歴史上の人物も多数登場するが、メインとなるのはオリジナルキャラクターとして描かれる2人の若き隊士、鎌切大作(前田拳太郎)と深草丘十郎(奥智哉)。2人は熱い友情で結ばれながらも、時代の波に翻弄され、やがて白刃を交えることになる。

 2人のたどる過酷な運命を『美しい彼』シリーズで知られる気鋭の脚本家・坪田文氏と、『未来への10カウント』(テレビ朝日)でメガホンを取った河合勇人氏が美しくも鮮烈に描写。また、斬新な殺陣パフォーマンスや従来の時代劇にはない流麗な“剣舞”を織り交ぜ、幕末を閃光のごとく駆け抜け、はかなく散っていった新選組隊士たちの青春をいまだかつてない視点とスタイルでエモーショナルにつづっていく。

 『仮面ライダーリバイス』(2021年〜2022年)で共演した前田×奥の2人がW主演を務めるほか、杢代和人、羽谷勝太、柊太朗、庄司浩平、簡秀吉、藤岡真威人、阪本奨悟、永田崇人、三浦涼介、高野洸が出演する。

 前田は「今回のドラマは僕にとって初めて時代劇。殺陣のアクションも、事前にたくさんけいこをしながら、撮影の間もずっとアクション部の方が教えてくださって、すごく新しいことに挑戦してるドラマだなと思っています。あとは歌やダンスだったり、剣舞を踊ったり。普通の時代劇とはまたちょっと変わったことに挑戦しているので、自分のスキルアップにもつながりますし、やっててすごく撮影が楽しいなと感じています」と撮影について語る。以前から時代劇はやりたかったそう。「大河ドラマを見ていたり、時代ものもかっこいいなと。髪も長いのいいな、カツラとかつけてみたいな、みたいな感じで思っていました。刀も振ってみたいなって。今まで仮面ライダーをやっていましたけど、やっぱり素手でやるアクションが多かった。刀を使ったアクション練習は今後絶対にどこかで使うと思う。このタイミングでできたらと思って、以前からやりたいなと思っていました」と笑顔を見せた。

 新選組に対する印象も。「歴史はあまり得意じゃない。ちょっと遠いもののような感じがしていた」と苦笑いで告白しながらも「今回、ドラマに入る時に勉強しました。台本をもらってから、1個1個ちゃんと全部調べるところから始めないといけなかったので大変ではあったんですけど、いろいろ調べて、こういう流れで新選組になっていったんだと知れる、いいきっかけになりました。今回、手塚治虫さんの漫画が原作なので、原作も拝見させていただいた。オリジナルキャラクターが出てきたり、またちょっと違った新選組。新選組の視点じゃない視点からもアプローチしてる作品なので、すごく面白いなって思いながら勉強させていただいてます」と成長しているそう。新選組の“推し”は沖田総司になったという。

 『仮面ライダーリバイス』以来となる奥と改めて共演してみた感想も。「今回、久しぶりに共演することになった。最初に出会ったのが、僕が21歳か22歳、奥くんは16歳の時だったので、そこから2年ぐらい経って、お互いちょっと大人になった。特に奥くんは16歳からの2年なので、顔つきも変わったなと思いますし、それぞれ仮面ライダーが終わって丸1年空いた。別々に作品を撮ってきた中で、また再会することができた。僕も、仮面ライダーが終わってからの1年間でやってきたものを、奥くんに見てほしいなという気持ちもありますし、奥くんが1年間で変わったものを見て、僕ももっと頑張んなきゃなと刺激を受けた。奥くんの1年間は、こんな感じだったんだろうなっていうのも想像できましたし、奥くんだったからこそ、今すごく頑張れてるのかなと思います」と感慨を語った。

 長く共演していただけに息もぴったり。「僕も奥くんのことよく知ってますし、奥くんも僕のことよく知っている。お互いの信頼関係で成り立っている部分も多いかなと思っています」と2人の関係性を明かす。「こうやって『仮面ライダーリバイス』のメンバーとまた共演できた。すごくうれしいです。撮影中や終わった後も『またどこかで共演したいね』という話をたくさんしていたので。その中でも奥くんが1番最初に。(『仮面ライダーゼロワン』で主演した高橋)文哉くんとは共演しましたけど、僕が仮面ライダーの時に共演してないので」としみじみ。『仮面ライダーリバイス』のメンバーも共演について喜んでくれているそうで、日向亘からは「僕らもまた共演したいね」とやり取りがあったと語っていた。

 人見知りを公言している前田だが、今回は奥を筆頭に最初からなじみやすい環境だった。「キャストが決まって、逆に知り合いじゃない人の方が少ない(笑)。ほとんどみんな会ったことがあったり、ご飯に行ったことがあったりする人たちばかり。すごく現場は楽しいです」と笑う。撮影は京都で、泊まり込みで行われている。「いつも撮影が終わると、そのままご飯食べに行ったり、みんな筋トレにハマってて一緒に高倉健さんが作った撮影所のジムに行ったりとか。若手がそろってて賑やかで楽しい現場だなと思います。でも、撮影中はみんなしっかり切り替えて協力し合ってやってる感じで、すごくいい環境なのかなと思っています」とにっこり。「毎日一緒にいて、サウナや温泉に入ったり。撮影でも一緒だし、プライベートでもずっと一緒にいますし、本当に一緒にいる時間が長い作品です。年もみんな近いですし、だからこそ絆も深まってきて、それが作品の中でいい影響を与えていると思います」とポジティブな影響を語る。知っているメンバーだが、新たな発見も。「みんな、すごい面白いです」と前田は笑いながら「いい意味で変わった人が多いんです(笑)。天然だったり、一緒にいて飽きないですね」と仲良しぶりを明かした。

 ヒーロー経験者が多数集まったことでも話題に。特撮経験者ならではのできごとがあったのかを聞くと「そろそろなくなってきてます」と苦笑いしながらも「終わって最初のドラマに入った時とかは走り出しがすごく速かったり(笑)。バーンって音があったら、もう走り出すスピードが速すぎて『速すぎる!』と言われたりしました」と“あるある”を口にする。「今回は戦う作品なので、決めを作ったりする。なんかヒーローをやってきたからこそ、カッコよく見せられる部分もあるんじゃないかなって思います」とする。

 役については、「今回、僕が演じてる鎌切大作というキャラクターは、普段ひょうひょうとしてるキャラクターなんですけど、どこか影があるミステリアスな感じ。いろいろ抱えてるものも大きい。演じる時は、みんなに見せる顔と1人でいる時の顔と、場所によって見えるものが違ったりするので、そこの演じ分けを気をつけました」とポイントを語る。「秘密を抱えているキャラクターを演じてみたいなと思っていた。それぞれ自分の中で正義があるんですよ…。演じている時の感情的にはつらいですけど、楽しいです。すごく演じがいがあるなと思っています」。

 大作は剣の達人という役どころとなる。「撮影に入る前から殺陣のけいこ始めてたんですけど、皆さんすごくプレッシャーをかけてきて(笑)。『大作は最初からできないといけないから頑張ってね』と。もう本当に必死に刀を振ってました。刀を使ったアクションは素手でやるアクションと違って、また独特なんです。アクション部の方がすごく丁寧に教えてくださって。殺陣のシーンも事前にいろいろ組んでくれて、事前に練習してから本番に臨んでいる。ただアクションするだけじゃなくて、1個1個の動きにすごくストーリー性がある。刀を振るのも、こういう感情があって振ったっていうのを、台本をたくさん読んでしっかり考えて作ってくれてるんだなとすごく伝わってくる。僕も、アクションしよう、アクションしようというより、お芝居をちゃんとしよう、という感じの気持ちで今はアクションをやっています。それで、すごくハマった感じが僕はしていますし、それが今は正解なのかなと信じてやっています」と、アクションに対する向き合い方を語った。

 学生時代は空手に打ち込み、『仮面ライダーリバイス』では、空手を生かしたアクションもあった。今回は殺陣に挑戦。難しさについては「距離感です」という。「刀もアクション用とか、シーンによって4種類ぐらい変わる。扱いは難しいです」と明かした。隊士の中で刀の扱いに長けているのは藤岡だそう。「殺陣をやってたわけじゃないんですけど、居合をやっていて。真威人の殺陣は、切れる感じがあるんです。本物の刀を振ってる動きに近いなと感じます」と話してくれた。

 ダンスも“極秘裏”に練習を重ねた。「結構前にダンスすることは聞かされたんです。昨年の9月とか10月から練習したんですけど、空いてる時間を見つけながらの練習でなかなか練習時間もたくさん確保できたわけじゃないんですけど」と少し不安げに打ち明けた。練習場所は所属するLDHのダンススクールEXPGだった。「中学生ぐらいの子どもたちの後ろで踊ってました。みんなが上手で、みんなのダンス見て、こういう感じが上手いんだ、と学びました(笑)」と振り返る。EXPGでは、こんな出会いもあったそう。「僕を見てEXPGに入ったっていう子がいて。大学生の子だったんですけど、同じ大学で僕の後輩に当たるみたいなんですけど、僕がEXPGを卒業してたから『EXPG入りました』と。俳優を目指しているそうです。久しぶりのEXPGは、すごく楽しかったです」と笑顔を見せた。

 ファンに向けてのメッセージも。「今回、時代劇ですが、すごく新しいことにチャレンジしている時代劇なので、皆さんが今まで見たことのないようなものをお見せできると思っています。僕らも歌やダンスなど、いろんなことに挑戦している。若い男たちが、みんなで協力して、いい作品を作ろうって、頑張っています。僕らもすごく楽しんで撮影をさせていただいてるので、いいものができるのではないかなと思っています」と期待を高めた。