今年1月、松竹エンタテインメント俳優スクールを経て、松竹エンタテインメント所属となった若手俳優・金田昇が、7月6日スタートの「ウルトラマン」の新作テレビシリーズ『ウルトラマンアーク』(テレ東系6局ネット発・全世界同時期放送&配信)に出演することが決定。主人公・飛世ユウマとともに、怪獣災害に立ち向かう特別調査員・石堂シュウを演じる金田に、オーディションを経て本作への出演が決まった際の想い、演じるキャラクターについて、歴史あるウルトラマンシリーズの撮影現場で学んだことなどを聞いた。

【『ウルトラマンアーク』石堂シュウ役・金田昇(かねた・しょう)インタビュー】

――『ウルトラマンアーク』で初のレギュラー出演が決定した金田さん。まずは、芸能界への憧れを抱いたきっかけから教えてください。
【金田昇】「高校生くらいの時に、佐藤健さんが主演された映画『るろうに剣心』を観て、なんとなく俳優や芸能界というものに興味を持ち始めました。でも僕は当時、北海道に住んでいたこともあって、芸能界というのが遠い存在だったというか、あまりよくわかっていなくて。ただ憧れていただけで、その時は特に行動は起こしませんでした。その後、大学進学を機に上京することになって、『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』に応募しました」

――当時、“こんな俳優になりたい”というような将来のビジョンはありましたか?
【金田昇】「本当に漠然としたものではありましたが、佐藤健さんや小栗旬さんのような俳優さんになりたいなとか、アクション映画もよく観ていたので、アクションやってみたいなと思っていました。明確な目標があったというわけではなく、テレビの向こう側の世界に自分もいってみたいなというくらいの感覚だったと思います」

――『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』のファイナリストに選ばれ、その後俳優デビューを果たしたわけですが、現事務所に所属した経緯というのは?
【金田昇】「『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』が終わった後、いろいろな芸能事務所と面談をして、そこでご縁があった事務所に2年ほど所属したのですが、ほとんど成果を出せずに契約が終わってしまったんです。そこから半年ほどなにも活動もできていなかったのですが、その時に今のマネージャーさんから声をかけていただいて。それがきっかけで、松竹エンタテインメント俳優スクールに通うことになり、今年1月に正式所属させていただくことになりました」

■「芸能界に残るかどうか悩んでいたタイミングで…」

――一度は事務所に所属したものの、なかなか思うように結果に結びつかなかったんですね。何も活動していなかった半年間というのは、どのような思いで過ごされていたのでしょうか。
【金田昇】「当時はSNSを軸としたインフルエンサーが増えてきていた時期でもあったので、自分もSNSを頑張ったりして、自分だけでやってみてもいいのかなとは思っていましたが、芸能界に残るかどうか…というのはけっこう悩んでいました。そのころ大学3年生だったので、周りには就職活動している人も増えてきていて、“将来自分はどうしよう”、“何がしたいんだろう”と、路頭に迷っていた感じでした。ちょうどそのタイミングで、今のマネージャーさんに声をかけていただいたので、僕としては少し救われた気持ちになったのを覚えています。まさか声をかけてもらえるなんて思っていなかったので、もう1度、頑張ってみようと決意しました」

――松竹エンタテインメント俳優スクールでは、どんなことを学びましたか?
【金田昇】「演技レッスンがメインだったのですが、基礎から様々なことを学びました。最後に舞台というか、それらの成果を披露する場があって、みんなで1つの作品を作り上げるということは初めてだったので、すごく良い経験になりました。ただ、正直当時のことはあまり記憶がないんです(苦笑)」

――それはどうして?
【金田昇】「大学に通いながらアルバイトをしつつ、俳優スクールにも通って、オーディションを受けたり…、いろんなことを両立しながら生活していて。本当に忙しい日々だったので、毎日必死だったんです」

――そんな中、オーディションで掴んだ『ウルトラマンアーク』のシュウ役。どんな想いでオーディションに臨まれたのでしょうか。
【金田昇】「俳優スクールでのレッスンが終了したタイミングだったので、このあたりで何か仕事を決めないとマズイし、決めたいという想いで受けに行きました。オーディションは、1人に対して、20人ほどのスタッフさんたちがズラっと並んでいて、全員が自分を見ているという環境の中で演技と質疑応答をやりました。でも、監督をはじめ、みなさん雰囲気がすごく柔らかい方々ばかりで、緊張よりもすごく楽しかった思い出が残っています」

――手応えみたいなものはありました?
【金田昇】「とりあえず一生懸命やったという感じで、手応えに関してはぜんぜんわからなかったです」

――出演が決まった際は、どのような想いが?
【金田昇】「最初はちょっと理解できなくて、頭が真っ白な状態になりましたが、すごく嬉しかったです。僕自身、感情をあまり表に出すタイプではないのですが、内心はめちゃくちゃ盛り上がっていました。ただ、その後に冷静になっていくにつれ、不安になっていって…。出演が決まったことは嬉しかったのですが、メインキャストで作品に出演するという経験が今までなかったので、どうやって臨めばよいのかわからなくて、不安のほうが大きくなっていきました。でも、実際撮影に入ると、スタッフさんたちが本当に優しくて、たくさんサポートしていただいて、安心して撮影に臨めましたし、撮影現場はすごく楽しいです」

■「この現場ではたくさんのことを学ばせていただいています」

――演じられる石堂シュウはどんなキャラクターですか?
【金田昇】「主人公のユウマが所属する怪獣防災科学調査所・SKIPに、『地球防衛隊・宇宙科学局』から派遣されてきて、ユウマたちと一緒に怪獣災害に立ち向かう特別調査員の役です。常にスーツを着ていて、冷静で理性的なエリートというキャラクターなのですが、ある飲み物が大好きすぎて、それがないと人が変わったように取り乱してしまうという、ちょっと崩れた一面もあるというか、クールなだけではなく、ちょっと愛すべき一面もあるような役どころです。ユウマとは正反対のキャラクターで、僕だけ違う組織から派遣されてきたということもあって、最初は考えの違いなどで衝突したりする場面も多いのですが、優しくてまっすぐなユウマと接していくうちに、シュウの考えが変わっていって、良き理解者となっていく…。回を重ねるごとに、ユウマとシュウのバディ感が増していくところも見どころの1つだと思います」

――ご自身の性格と比べて、いかがですか?
【金田昇】「僕自身、すごく陽気なタイプではないので、冷静に見えるという部分は似ているのかなと。それと、ある飲み物が好きでちょっとテンションがおかしくなってしまうという部分に関しても、僕も時々おかしなテンションになることがあるので、そういう二面性がある部分も共感できるなと思いました。似ていない部分で言うと、シュウはすごくしっかりしているエリートなのですが、僕は一見しっかりしていそうだけど、実はしっかりしていないので、そこはあまり似ていない部分ですね(笑)。本読みをやった時も、冷静沈着な感じがぜんぜん出せなくて苦戦しました。監督や大勢のスタッフさん、キャストのみなさんの前だったこともあり、緊張もあったのだと思いますが、冷静というよりもおどおどしているように見えてしまったみたいで…。監督からもアドバイスをいろいろといただき、撮影前までになんとかそこを固めて臨みました」

――歴史のあるウルトラマンシリーズに参加するというのは、役者としても成長につながる大きなターニングポイントになるのでは?
【金田昇】「そうですね。『ウルトラマンアーク』が決まるまで、芸能界でどうやっていけばいいのか、ずっと模索していた気がします。でも、この作品が決まって撮影が進んでいく中で、自分の考えを改めるきっかけにもなりましたし、自分はこういうこともできるんだとか新たな発見もたくさんあって。1つの作品を作る上で、本当にたくさんの方々が関わっている分、演者としての自分の責任も大きいというのを改めて感じました。もちろん、今までも作品に参加したことはありましたが、メインキャストとして関わったのは今回が初めてだったので、この世界でやっていくには、もっと覚悟を持って臨まないといけないということをすごく感じました。それに自分の演技を客観視するというのも初めてだったので、どう見えているのか、自分がどう動くことで作品にどんな影響が出るのかなど、演技のことを改めて学びました。自分の芝居、動き1つで作品の印象が変わってしまったり、ストーリー性にも影響が出てしまったりするので。これまで出演してきた作品とはまた違った責任感というのを感じましたし、自分1人の甘さで作品を崩してしまってはいけないということなど、この現場で本当にたくさんのことを学ばせていただているなと感じています」

――夏に放送される本作ですが、どんな風に楽しんでもらいたいですか?
【金田昇】「さきほども撮影現場がすごく楽しいということを話しましたが、その雰囲気が作品そのものにも表れていると思います。自分でもどんなふうにみなさんに楽しんでもらえるのか、観てくださる方々の反応もすごく楽しみです。とにかく純粋に作品を楽しんでもらいたいですね」

――『ウルトラマンアーク』で金田さんのことを知る方も多いかと思いますので、金田さんご自身のこともおうかがいしたいのですが。ご自身の性格を一言で言うと?
【金田昇】「面倒くさがり屋で負けず嫌いな性格です」

■「『他に代わりがいない』と言っていただけるような俳優になりたい」

――周りのお友達やご家族からはどんな性格と言われることが多いですか?
【金田昇】「よく『頭がおかしい』って言われます(笑)。急に変なスイッチが入ってテンション上がったりするので、“変人”って言われることが多いです。あと、マネージャーさんからは、『最近、人が変わったみたいに明るくなったね』と言われました」

――何かきっかけがあった?
【金田昇】「特に意識して明るくなったわけではないのですが…。もともとあまりしゃべらないタイプでしたが、今回の『ウルトラマンアーク』もそうですし、作品を通して、コミュニケーションを取らないといろんなところで弊害が出てくるというのを実感して。たとえば現場にその方がいるだけで雰囲気が明るくなったりするというのを間近で見たりして、コミュニケーションの大切さみたいなものを学んだことが大きいかもしれません。あとはあまり格好つけなくなったのかなと。『ジュノン〜』を受けていた頃は、“格好つけておけばいいんでしょ!?”ぐらいのイメージを持ってしまっていたので。作品を撮る上でも格好良さみたいなものを意識し出すとお芝居できないし、良いものにならないというのをすごく思ってから、私生活でも変わったのかもしれないです」

――今後の夢、目標を教えてください。
【金田昇】「とにかく今はもっともっとお芝居を上達させたいです。そして、『金田昇を使いたい』『この役は金田昇にお願いしたい』『他に代わりがいない』と言っていただけるような俳優になりたいです。『ウルトラマンアーク』の現場でたくさんの気づきや学びがあって、役づくりの部分や見せ方の部分だったり、自分の課題がたくさん見えてきたので、今はそこを改善した上でたくさんの作品や役を演じたい気持ちが一番です」

――その夢や目標を叶えるため、金田さんが大切にしていることはなんですか?
【金田昇】「行動することが一番大切なのかなと思っています。今自分の中で大切にしていることは、自分に甘えないというか、面倒くさいと思ったことを率先してやるというのを意識しています。もともと行動する前にいろいろと考えてしまうタイプの人間で、考えるだけ考えて結局行動しない…というのが今までの僕でした。でもそれでは何も変わらないし、とにかく行動してみる、やってみるというのは大事だなと。“やらないほうが良いかな”とか、“恥ずかしい想いをするんじゃないかな”とか、いろいろと考えてしまうけど、まずは行動に移してやりきるというのは今も課題ですし、まだまだできていないところもあるので、そこは今後も意識して臨みたいなと思っています」

写真:安藤マミコ ヘアメイク:MAI KUMAGAI スタイリスト:櫻井亮太

【プロフィール】
金田昇(かねた・しょう)●2000年1月9日生まれ、24歳。北海道出身。松竹エンタテインメント所属。
2019年の『第32回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』のファイナリストに選ばれたのちに俳優デビュー。
≪主な出演作≫
NHK『ここは今から倫理です』、CX『さくらの親子丼』、映画『ビリーバーズ』、映画『HiGH&LOW THE WORST X』、Hulu U35クリエイターズ・チャレンジ『ヒロインの親友はハードスケジュール!!』、NHK 大河ドラマ『どうする家康』、TBS『スイートモラトリアム』、TX『やわ男とカタ子』など。

【作品概要】
新番組『ウルトラマンアーク』
日本時間7月6日(土)朝9:00
テレ東系6局ネット発・11言語対応で全世界同時期放送&配信スタート
出演:戸塚有輝・金田昇 ほか/声の出演:広瀬裕也
メイン監督:辻本貴則(辻は一点しんにょう)/シリーズ構成・メイン脚本:継田淳
製作:円谷プロダクション・テレビ東京・電通