俳優の吉田羊が主演を務めるPARCO PRODUCE 2024『ハムレットQ1』の初日前会見とプレスコールが10日、東京・渋谷のPARCO劇場で行われ、吉田(ハムレット役)、飯豊まりえ(オフィーリア役)、牧島輝(ホレイショー役)、大鶴佐助(レアティーズ役)、広岡由里子(ガートルード役)、吉田栄作(クローディアス役)が参加した。

 ウィリアム・シェイクスピアによる四大悲劇の1つ『ハムレット』には、Q1版、Q2版、F1版と呼ばれる3種類の原本が存在し、本作ではQ1版を松岡和子氏の新訳、森新太郎氏の演出で立ち上げる。公演はPARCO劇場(5月11日〜6月2日)を皮切りに、大阪・森ノ宮ピロティホール(6月8〜9日)、愛知・東海市芸術劇場大ホール(6月15〜16日)、福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール(22〜23日)で行われる。

 2021年上演の『ジュリアス・シーザー』以来、3年ぶりに森氏とタッグを組む吉田羊は、開幕前日を迎え「ようやくみなさんにご覧いただけるという喜びと、あと1ヶ月けいこをしたかったという複雑な思いです(笑)」と本音を吐露した。

 森氏の演出については「相変わらず情熱的で、厳しさも健在」としつつ、「森さん自身がこの最難関の『ハムレット』という作品を熟知しているからこそ、休憩を取りたがらない森さんが『10分休憩!』とおっしゃっていて。今回も休憩なしで何時間もけいこをするのかなと思っていたので、出演者の声や体調を気遣ってくれたことがうれしく、そして驚きました」と振り返った。

 一方、けいこ場は「爆笑に次ぐ爆笑。怖い雰囲気はなかった」と言い、『ハムレット』でこんなに笑う現場ってあるんだなと思っていました」と回顧。その笑いの中心は主に広岡だったそうで、「広岡さんのお人柄が出てしまうと、王妃から庶民になってしまうんですね。そのたびに森さんが『広岡さん、また庶民になっています』と言っていて…(笑)」と、カンパニーの仲睦まじさも伝えた。

 見どころにはハムレットの独白を挙げ、「お客様に一つひとつ語りかけられるようにお届けしたいと思います」と意気込み、「ぜひ受け取っていただいて、ハムレットと共犯関係になっていただければ」と呼びかけた。