年齢とともに「美しさ」への意識は変わっていくもの。
しなやかに時代を生きる永作博美さんと、大人にとっての「美しさ」を考えてみました。

今回話を伺ったのは・・・
永作博美さん
1970年、茨城県生まれ。1994年、俳優デビュー。近年の出演作に映画『朝が来る』、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』、配信ドラマ『モダンラブ・東京』、舞台『月とシネマ2023』など。


Question① 永作さんが考える「美しい人」とは?

A. 自分の好きなものや好きなことを知り、大切にできる人

内面的な意識として、「より良くしたい」「良くなりたい」という向上心を持つ人。そして、自分の好きなものを知っていて、大切にできる人。
カップひとつでも、身近にある大事なものや人をないがしろにせず、きちんと守っていける人は美しいと思います。

Question② 外見的な「美しさ」はどんな部分に感じる?

A. 挑戦するときの真剣なまなざしや、すっとした立ち姿

真剣なまなざし。挑戦するときの真剣な目というのは、誰が見ても美しいですよね。
私が意識しているのは、立ち姿や座り姿が美しく見えるかどうか。
最近は日常のなかでも内ももやお腹を引き上げるようにしながら立ったり、座ったり、歩いたりしています。

Question③ 「美しさ」に対する意識は変わりましたか?

A. その人にしかない輝きや懸命さを美しいと思うように

年齢とともに、より内面に意識が向いてきました。
その人自身も気づいていないような、輝きや個性、一生懸命さが見えたときにはっとしますね。
美しさのためには「体が資本」という気持ちが強くなったのも、今の年齢になったからかもしれません。

Question④ 「美しさ」を進化させるために必要なのは?

A. 変わっていく自分を素直に見せる。それが愛嬌になる

今のありのままの自分を認め、自信になるものを見つけて、信じること。そして、変化する自分を人に見せる勇気を持つこと。
それが、その人の愛嬌や人間っぽさにつながる気がします。わからないことも素直に口に出せるのもいいですね。まぁ、難関ですけどね。

Question⑤ 体の内側を整えるために実践していることは?

A. 「体の巡り」をよくするための白湯やストレッチ

実は水を飲むのが苦手で、放っておくと水分を取らずに過ごしてしまうんです。
だから意識的にちゃんと水を飲もうと思って。100mLくらいの小さなカップで、1日に何回も白湯を飲むようにしています。
体の巡りをするためのストレッチも欠かせません。

Question⑥ 内面の美しさのために意識していることは?

A. 何ごとも決めつけない。ときには自分自身の考えも疑い、曲げてみる

自分の信じていることを疑ってみる。ときには、自分がこうだと思い込んでいることを曲げることも大切だと思うから。本当はもっと広い世界なんじゃないかと。なぜか大事だと思ってきた自己流の常識?拘り?を覆していきたいですね。進化という意味です(笑)。

Question⑦ 美を保つために欠かせない習慣は?

A. 冷えやすい足を温める。足のマッサージやストレッチも習慣に

1年ほど前から、「今まで自覚はなかったけど、本当は足に負担がかかっていたんじゃないか」と思うように。
冷えないように現場にレッグウォーマーを持参したり、固まっている部分を流すような感覚で、足指を引っ張るマッサージもしています。

Question⑧ 美しくなるために今後やりたいことは?

A. 五感を研ぎ澄ますために川や滝など、流れる水を見に行く

流れていく水って不思議な魅力があって、見ていて飽きないですよね。音も含めて、すべての五感が研ぎ澄まされるような感覚があります。
鴨長明の「方丈記」が好きで、気づくと「行く川のながれは絶えずして〜」の言葉が頭に浮かんでいることも。

Question⑨ 「美しい人」と聞いて思い浮かべる人はいる?

A. 心身の調和がとれた人は美しい人だなと感じます

調和=美であると聞いたことがあります。それが私にとってはしっくりくるかな。
強いて言うなら、心と身体の調和のとれた佇まいの人ですね。そうなりたいとずっと思ってはいるのですが(笑)。
素直に美しいものを美しいと、見える人になりたいですね。


永作さん着用:ワンピース¥49,500/デボーション ツインズ(ハウス オブ ロータス 二子玉川店)、ピアスベース¥14,300、チャーム¥14,300/ともにテイクアップ

SHOPLIST
ハウス オブ ロータス 二子玉川店 03-6431-0917
テイクアップ 03-3462-4771

撮影/枦木 功[nomadica] スタイリング/岡本純子 ヘアメイク/竹下あゆみ 文/工藤花衣

大人のおしゃれ手帖2024年5月号より抜粋
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