思い立ったのは今年の元旦。当初は資産性を考えて、都心の築浅マンションを購入するぞと息巻いていましたが、とにかく高い! そして狭い!

いまは35平米未満の1Kに住んでいます。当初は40平米以上にしたらだいぶ楽になるのではと思って、1LDKを内見して、部屋って壁で区切るとこんなに狭いんだ……と衝撃を受けていました。

紆余曲折を経て契約したのは、準都心の築40年マンション(60平米超)。複数路線利用できるわけでもなく、人気エリアというわけでもない。地縁も全くない。専有面積もさすがに自分には広すぎでは?と思ったりする。

でも、内見を重ねるうちに「狭くてつまらん家を買うより、ちょっと都心から離れても、自分好みのマイホームが欲しい!」という気持ちが高まり、どうにか未リノべで残っていたこちらの物件を購入することになったのでした。

契約をかわし手付金の振り込みを行ったのが、つい先週。でもまだ不安!

支払えない金額ではありませんが数年後の売却前提なので、「相場を見誤っていたらどうしよう……」「地縁のないエリアで辛くなったらどうしよう……」と物件契約ブルーに。

リノベを楽しみにする気持ちと、あと1〜2年賃貸で様子見てもよかったなあ、という気持ちに引き裂かれています。だって今の家賃より支払い上がるし。しかも近年マンションは高騰しすぎているのでそろそろ下がるかもしれないし。でも、リノベの工賃は確実にさらに高騰していくし……。

契約してなおエンドレスな不安に苛まれている時に、発言小町のこちらのトピに出会いました。タイトルはずばり、「持ち家と賃貸」。

トピ主のかなさんは30代前半。私と同世代ですね。地方在住で、すでにご結婚されており、今年で2年目とのこと。ふたり暮らしとなればなおさら、資産形成や家賃のことが気になり出す時期でしょう。

かなさんも、配偶者と子作りの話をしはじめ、その流れで、家(新築戸建て)を欲しいという話をしたのだそう。しかし夫は「家なんて負債」と大反対。そのやりとりがすごい。

「夫と話し合いをしましたが、夫は著名なYouTuberの動画を見せたりしてきて私を説得しようとしてきました」

一応、家を買う場合の議論もしたものの、とことん意見が合わず、ペアローンも断られてしまったというかなさん。しまいには夫婦生活を拒否し、離婚を考え出したところだが、どう思うか?というのが相談内容でした。

人生が詰まった本トピ。世代は同じくらいのようですが、単身者と既婚者、都会在住と地方在住だと、同じ「家を買う」という話も、ここまで違ってくるんだなあとしみじみしました。

私の選択は、あくまで私のお金の使い方であり、私の暮らし方の決定なので、持ち家にしようが賃貸にしようが、影響を受けるのは私の財産と気分だけです。でも夫婦となると、「賃貸? 持ち家? どっちよ」の価値観を提示しあっただけで、ふたりの関係がこんなにも変わってしまうものなんですね。結婚、怖すぎる……。

トピに寄せられたコメントも、さまざまです。持ち家の資産性を支持しつつも「工務店よりハウスメーカーが安心」というトピ主の価値観には疑問を持つ人。建材などの高騰に触れて賃貸を推すも、YouTuberに感化されすぎている夫の姿勢にはトピ主同様苦言を呈する人。

トピ主ご本人は降臨されていませんが、そこに開陳されている各レス主の「おうち事情」が興味深い! ずっと賃貸だったけど最近新築マンション買って、他の国にもマンションを持っているという富裕マダムもいらっしゃいました。ああ、トピ主の結婚生活の行方よりも、他人の持ち家事情を熟読してしまう……。私にも持ち家があるから……(マンションだけど)。

読む者の立場によって、目の付け所が全く変わってしまうのが本トピとコメント一覧の面白さ。

賃貸派も持ち家派も、ぜひチェックしてみてください。(文筆家・ひらりさ)