JVCケンウッドは、反射型液晶デバイス(LCOS)の生産拠点を2024年4月1日より、同社の久里浜工場(神奈川県横須賀市)から(株)JSファンダリの新潟工場(新潟県小千谷市)に移転することを決定した。

LCOSは、「D-ILA」プロジェクターを中心に搭載しているデバイスであり、現行モデルでは8Kプロジェクター「DLA-V90R」「DLA-V80R」「DLA-V70R」、4Kプロジェクター「DLA-V50」に0.69型「ネイティブ4K D-ILAデバイス」として搭載されている。移設後は、JSファンダリ新潟工場内の生産施設(クリーンルーム)の一部を賃借して、LCOSの生産を継続。新潟工場は、LCOSの生産仕様や規格にも適しており、今後も高い精度と安定した品質を確保し、生産量への柔軟な対応を行っていくとのこと。

JVCケンウッドは、「中期経営計画『VISION2025』において、“変革と成長”を基本戦略とし、企業価値の最大化に向けて『経営基盤のさらなる強化』を進めている。その一環としてものづくり改革を推進し、事業環境の変化に即応する安定的かつ持続可能なものづくりの実現に取り組んでいる」と、生産拠点移設の背景について語っている。

また新潟工場への移設について、「8K映像表示やネイティブ4Kなどの高精細を誇る当社LCOSの生産仕様や規格に適しており、より高い精度と安定した品質を確保しつつ、生産量への柔軟な対応を実現し、将来的には生産能力のさらなる強化と高度なものづくりを目指す」と声明を出した。

そして今度の取り組みについて、「LCOSは昨今、プロジェクター用映像デバイスだけでなく、光通信用デバイスとして社会実装が着実に進んでおり、特にポスト5Gネットワークで発生する膨大な通信トラフィックに対応するための高性能化と、将来的に拡大が予想される需要への対応が求められている。こうした背景を踏まえて、今回の生産拠点の移転により、LCOSのラインアップ強化と生産量への柔軟な対応を図るとともに、より高度なものづくりの実現により、革新的な次世代映像技術、および通信技術を提供することで社会のニーズに応えていく」と語っている。