今話題のアクセサリーを毎週ピックアップして、音質改善のポイントをコンパクトにご紹介する「オーディオアクセサリーひとくちレビュー」。今月のテーマは、7月26日より開催される「東京インターナショナルオーディオショウ」に出展するブランドより、「10万円台のRCAケーブル」をピックアップ。憧れのハイエンド・ケーブルブランドであっても、実はお求めやすい価格のものも用意されている。今回は、アメリカのTRANSPARENT(トランスペアレント)より、「SUPER」の音質をレビュー。

中域の充実度を高め、おおらかで屈託ないサウンド

トランスペアレントのGENERATION 6テクノロジーによる新「SUPER」。中心に非導電性のコアを持つ強固な導体撚り線構造で、再設計されたネットワークが搭載されている。

ダイアナ・クラール『LIVE IN PARIS』では、低いノイズフロアを背景に量感たっぷりで深く沈み込むベース。クラールのヴォーカルはハスキー感を強調せず、解き放たれたかのように朗々と伸びやかに歌う。間接音成分が豊かでライブの臨場感が凄い。

ハイ・ファイ・セットでは最新の技術による伝送性能の向上が、この古い録音をむやみに現代的なワイドレンジ調に加工して薄めるのではなく、元々の録音の個性である分厚い中域の充実度をより高め濃くする方向に効果をあげているのが素晴らしい。

天真爛漫で陽性な曲調のアブラス指揮『マルコプーロス:オルフェウスの典礼』にこのケーブルの音調によく合う。大胆に打ち鳴らされる太鼓、朗々と歌うバリトン。

非常に大らかで屈託がなく大胆な音楽表現をするケーブルだ。