マンチェスター・シティでプレーするリコ・ルイス。

弱冠19歳ながらすでにトップチームで49試合に出場しており、あのジョゼップ・グアルディオラ監督も「動き、ポジショニングが常にいい。自分がいいプレーをする選手たちはいるが、彼にはチーム全体のプレーをよくする能力がある」と賞賛している。

『BBC』によれば、リコは普通の若者で、地に足がついたタイプの人柄だそう。彼の父リックさんはムエタイで2度チャンピオンになった人物で2001年にムエタイのジムを開設。リコは2歳頃からジムの人達から知られた存在になっていたそう。

格闘技はサッカー選手にとっても有用な自信やフットワーク、コーディネーション、バランス感覚が養われるが、リコが最も得たものは自己規律と謙虚さだったという。

「大事なのは謙虚であることだと思う。ボクシングやファイトを見ていると、生意気なボクサーが謙虚になることはよくある。それは人生にも通じることだと思う。持っていないものを持っている。一瞬で奪われることもある」

父リックさんもこう話している。

「子供時代のリコはすごかった。とても才能があった。最初から彼が何者かになると分かっていた。やることなすこと全て優れていた。

彼は地元の子が普通の人間からスーパースターになれることを示した。多くの人の刺激になっている。ずっと私にも刺激をくれる。

私たちは彼が調子に乗らないように手助けしている。シティのスターとしてではなく、単なるリコとして話しているからね。彼はいまだに家事もする。電話もしてくるし、いまだに我が子のままさ」モハメド・アリやフロイド・メイウェザー・ジュニアに憧れたリコは格闘技のセンスもあったというが、8歳でシティのアカデミーに入団した。

「スカラシップにサインする前、道中の車内で父と話した。今となっては馬鹿みたいだけど、僕はこう言ったんだ。もし、18歳までにトップチームで練習できなかったら、別の選択肢を考えるってね。

(2022年夏のプレシーズンツアーで世界的スターたちとプレーすることになったが)普通のことみたいに振る舞わなければいけないけれど、あの選手たちと馴染もうとするのはちょっとクレイジーだったね」

彼にとって同じくシティアカデミー出身のフィル・フォーデンが良きお手本となっているとか。そんなリコは中盤でもサイドバックでもプレーできるが、本人的には中盤でプレーする偽サイドバックが最も快適だと感じているとのこと。

また、グアルディオラ監督については、「強烈だよ。傍から考えているよりも10倍は強烈かもしれない。あの激しさはどこから来るものでもない。超勤勉だし、勝利に取りつかれている。彼の性格によるもの、どこでも勝ちまくっているからね」と話している。