楽しいドライブのおともと言えば音楽。 連休真っ只中の5月3日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、竹地祐治アナウンサーが、「令和に聴きたい昭和の楽曲」と題し、おすすめの2曲を紹介しました。

     

シティ・ポップが外国で再評価

最近、昭和の時代に流行った日本の楽曲が世界の若者や音楽ファンの間で流行しています。
例えば70年代後半から80年代にかけてブームとなったシティ・ポップにが注目されているのです。

代表的な曲としては、松原みきさんの「真夜中のドア〜stay with me」や、竹内まりやさん、大瀧詠一さんなどの楽曲が挙げられます。

この1980年前後はテレビの音楽番組が全盛期でした。
特に人気だったのは、黒柳徹子さんと久米宏さんが司会を担当した『ザ・ベストテン』(TBS系)。
この番組を観ていれば、その週のヒットや新曲がわかるという時代でした。

それらの昭和の曲を今、あらためて若い世代にも勧めたいということで、今回、竹地は2曲紹介しました。

松田聖子のデビューシングル

1曲目は1980年(昭和55年)4月に発売された、松田聖子さんのデビューシングル「裸足の季節」。

歌詞に「エクボの秘密」とあるとおり、当時資生堂が販売していた『エクボ洗顔フォーム』のCMソングでもありました。

テレビCMに聖子さんが出演していませんが、これには事情があります。
実はモデルとしてオーディションを受けた聖子さんは、エクボができないという理由で不合格となりました。その代わりにCMソング歌唱に白羽の矢が立ったといういきさつがあるのです。

実はこの「裸足の季節」はリリース時点ではそこまでヒットせず、7月発売のセカンドシングル「青い珊瑚礁」が大ヒットを受けて再び注目を集めました。

どちらの曲も作詞を手掛けたのは三浦徳子さん。
松田聖子さんのヒットに始まった女性アイドル全盛期に、数々のヒット曲を手掛けています。

竹地が「裸足の季節」で印象に残っているのは、歌詞の「もぎたての青い空」や「もぎたての青い海」といったフレーズとのこと。

竹地「もぎたてで青いって言ったら、普通リンゴとか浮かぶじゃないですか。
作詞でこういうところを遊んでいて、爽やかさを訴えるなら青い海や青い空というだけだったら爽やかさが出ないな、『もぎたて』をあてるっていうのが、三浦さんの素敵な風を吹かしてる部分だと思います」

女性では珍しかった言い回し

三浦徳子さんの歌詞のエッセンスが詰まったものとして、竹地が2曲目に紹介したのが、八神純子さんが1978年(昭和53年)にリリースされた「みずいろの雨」。

雨が「みずいろ」と表現されたタイトルですが、聖子さんに提供した「青い珊瑚礁」や「風は秋色」でも、タイトルや歌詞に色の名前を印象的に使用している特徴があります。

さらに竹地が注目したのが、歌詞の言い回しです。

竹地「当時本当に珍しかったのが、女性の歌で詞の中に命令形を入れるっていう。『崩れてしまえ』とか『忘れてしまえ』とか。

八神さんがキリッとした人で、そのあたりを男女の関係なくパッと口調で言い切れる強さみたいなものを、歌詞の中で表現してるところがあるのかなと。
三浦さんは歌手を見ながら歌詞を書く部分もあったので。

八神さんが歌詞をまとってどのように表現するかというのが、『みずいろの雨』という楽曲かなと思っています」

今だとネットですぐにダウンロード購入ができますので、歌詞にも着目しながら聴いてみてはいかがでしょうか。
(岡本)