いつもの年より早く大量発生するカメムシのニュースが連日、報じられています。どうやら、広島も同じ傾向のようです。県の調査では、例年の10倍のカメムシが確認されている地域もあるということです。

通常、夏から秋にかけて増えるといわれているカメムシですが、ことしは少し違うようです。県は、5月からカメムシをおびき寄せる装置で、定点調査を始めました。その結果、例年よりかなり多く集まった地点があったということです。

広島県西部農業技術指導所 河野雄介 技師
「発生も早いし、例年よりも多いという状況にはあります。多いところでは、例年と比べておよそ10倍の差があるところも」

今後の調査の推移も確認が必要ですが、「調査スタートの段階ではかなり多い地点がある」というのです。いったい、何が起きているのでしょうか?

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広島県西部農業技術指導所 河野雄介 技師
「昨年末、越冬するカメムシの数の調査をしたんですけど、その数が過去10年で2番目に多かったので、春先から動き出す成虫がかなり多くなると予測されています」

去年の繁殖数が多く、この冬を越したカメムシの数が多かったといいます。

広島県西部農業技術指導所 河野雄介 技師
「去年、山での給餌量が多かったことにより、山でかなりのカメムシが増殖して、カメムシが冬を越してしまったことにより、春先から動き出すカメムシの数も多くなったことが原因と考えられる」

暖冬や春先の気温の高さの影響でカメムシが早く活動を始めたことも、観測数が増えている原因と考えられているということです。

農作物への影響も懸念… ホームセンターには対策商品が並び

RCC

大量発生は、農作物への影響も懸念されています。

広島県西部農業技術指導所 河野雄介 技師
「ナシやリンゴといった果実の汁を吸って、吸った場所がスポンジ状になってデコボコした果実に。売り物にならないという農家さんもいらっしゃいます」

広島市のホームセンターを訪ねてみると、カメムシ対策商品がこの時期としては多く並んでいました。

RCC

準備されているのは、カメムシ用の殺虫スプレーや忌避剤などで、すでにいつものピーク時と同じぐらいの量を並べているそうです。

DCM 観音新町店 前杢尚美 チーフ
「この時期も、ことしはかなり多くのお電話や店頭での質問をいただいている。例年では秋ごろにピークを迎えるんですけど、ことしはちょっと秋ではなく、今の時期にお問い合わせが多いというのは、例年にはない。秋もたくさんのカメムシが発生する予測はしていますので、その際はカメムシコーナーを作って、多くの商品を陳列して準備したい」

臭いだけでなく分泌物にふれると皮膚炎の危険も…

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カメムシですが、5月から始まった県の調査では、県の島しょ部の方で例年より増加が見られているということです。

まだ調査は始まったばかりですが、「ことしにかけて冬を越すカメムシの量」が過去10年で2番目に多かったということもあり、今後の増加も予測されています。

さらに知っておきたいのが、カメムシが体から出して、においの原因となる分泌物です。

RCC

広島市にある古谷皮ふ科クリニックの 古谷喜義 院長によりますと、この分泌物には、有害な「アルデヒド類」が含まれていて、直接皮膚にふれると「かぶれ」を起こす可能性があるといいます。

かゆみや痛みが出た場合は、皮膚科の受診してみたほうがいいかもしれません。

また、肌に色がついてしまう場合もあり、こちらは1〜2週間で自然に消えるということです。

服の中に入ってしまうと、直接触れる危険性が高くなるので、この時期から洗濯物の取り入れの時など注意が必要だということです。