突然インスタで“中止発表” 開催期間中だった人気のパンイベントに何が

広島市で開かれていたパンのイベントが突然中止されました。運営会社が事業を停止したためです。イベントに商品を出していた店には連絡もなく、困惑の声があがっています。

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広島パルコで、5月17日から10日間開かれるはずだった「パンタスティック!!JAPAPAPAPANツアー2024SS」がきのう、急遽中止となりました。

看板を見ていた人
「びっくりですね。お昼で行こうかなと思ってたんで」
「残念な気持ちではある。ずっと広告見ていたので」

パンタスティックとは、パンの物産展で、全国からユニークな商品が集まります。

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2015年に広島パルコで始まり、その後、全国の商業施設で開催されていました。

今回は広島パルコにとって16回目で、およそ50の店のパンが並ぶ予定でした。また「ツアー」ということで、23日から東京・調布会場、6月には福岡会場でも開催されるはずでしたが、それも合わせて中止となりました。

インスタで告知を見た妻が1分停止…「大変な事態だと」

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出品店の一つである、北海道富良野にある米粉パン専門店として人気の「そらのくじら」。店主の西山さんはイベントの中止を、偶然、インスタグラムで知ったそうです。

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「そらのくじら」西山拓志店主
「店をオープンしてまもなく、妻がちょっと手が空いたのて、インスタを見たんです。したら、『パンタスティックからのお知らせ』っていうのを見て、妻がもう1分ぐらい停止しまして・・・。大変な事態だと」

イベント開催期間中に出品者に連絡も無く中止したわけは・・・?

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パンタスティック中止の理由は、運営する会社「ローカルズオンリー」が自己破産の申請を決めたこと。出品者に中止の連絡はなく、インスタで発表されました。

「ローカルズオンリー」の代理人弁護士によりますと、コロナ禍で業況が悪化したことや、パンタスティック事業が立ちゆかなくなったことが破産の主な原因だということです。負債総額は1億9000万円を超えるとみられています。

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「そらのくじら」が、パンタスティックに出品するようになったのは、2024年からです。特に、5月23日からは広島と東京での開催が重なるため、連日、午前3時から仕込んでいたそうです。

「そらのくじら」西山拓志店主
「破棄するのもね、すごい量なので。どうしようもなかったから、まずはもう真っ先に半額にして、少しでもお客さん来てもらえればなと思って」

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西山さんは、行き先を失った160個の米粉パンを、半額で販売することを決断。地元のお客さんたちのおかげでなんとか売り切ったそうですが、すでに送った商品の行方はわからないそうです。

「そらのくじら」西山拓志店主
「もう腹立ちますよね。もう遺憾としか言いようがね」
「月末の入金なので、静岡分の入金が今月末(予定)なんですけど、多分ないような気がして怖いんですよね」

「生産者を馬鹿にしている」今年の売り上げ200万円以上振り込まれず

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一方、三原市にある「むすびスイーツ」の田中裕士社長は、搬入した分を引き取りに来ました。

「むすびスイーツ」田中裕士社長
「2日(分)くらい売り上げがないので(引き取り分が)どんだけあるかわからないんで、保冷剤も多めに持ってきて・・・」

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パンタスティックが始まった時からの出品者で、毎回、商品は売り切れとなる人気ですが、2024年に入ってからの売上、200万円以上が振り込まれていないそうです。

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「むすびスイーツ」田中裕士社長
「びっくりしました。100個以上ですね、バスクチーズケーキも。週末もあって向こうからも『多めにお願いします』と言われてたんで。もうお金は仕方ないんですけど、生産者というか、色んな人を馬鹿にしているなと思います。これ作ってるのも、妻とスタッフが頑張って作ってて・・・。なんだと思ってるんだと思います。悔しいですね」