浙江省麗水市内にある育英小学校の国語教師の葉玉英さん(80歳)がこのほど、「職歴最長の語学教師」としてギネス世界記録に認定された。葉先生は1960年に農村部の小学校の教師を始め、記録申請書を提出した時点で教員歴が64年と33日に達していた。中国メディアの杭州網などが伝えた。

記録申請書によると、葉先生は浙江省の農村部で生まれ、家が貧しかったために両親の負担を軽減するために、1960年に農村部の小学校教員として働き始めた。まだ17歳だった。定年退職になると、教育の現場から離れたくないと思い、自ら育英小学校を設立した。1999年2月には、その育英小学校も退職したが、今も週に6時限の国語の授業を担当している。

葉先生の娘によると、3歳の時に母が自分をおんぶして、山村の小学校で授業をしていたことを、おぼろげながら覚えている。ある教室には小学校5年生が席を並べていた記憶もある。葉先生の娘は、「私の母は一生を通じて、教育事業から離れようとは思いませんでした」と説明した。

葉先生は自らの仕事ぶりについて、「毎日時間があれば、授業の準備をしていました。昔は、今のようにさまざまな便利なデジタル機器があったわけではありません。私はすべての授業用ノートを毛筆の楷書で一筆一筆ていねいに書きました。国語の授業では1時限当たり6時間準備せねばなりませんでした。夜に床に就いてもノートを読み返しました。下手な字を見つけると、破って書き直しました。こういう方法も、毛筆の練習に効果的です」と説明した。

葉玉英さん

葉先生の記録の申請準備を手伝った柴遠知先生は、「葉先生は私が出会った人の中で責任感が最も強く、実行力が最もある人です。目標と理想を持ち、それに向けて苦難の道を切り開いて進むことができる人です」と述べた。

葉先生は校長時代には、毎日朝5時に起き、午前7時半まで登校して教師と生徒の登校状況を確認してから、一日の授業を始めた。授業を担当する教師が会議に出席したり出張する場合には、葉校長がその授業も担当した。学校の経費を節減する必要があったからだ。

葉先生によると、テレビで記録への挑戦を紹介する番組をかなり前に見た。その時には、自分も一つの分野に情熱を持っていると思い、自分の教材は世界で一番真剣に作ったものかもしれないとも思った。記録に挑戦したいという気持ちは当時からあったようだが、笑われるのが怖くて周囲に話すことはできなかった。今年初めに娘と「ギネス挑戦の映像」を見たことがきっかけで、学校で周囲の教師に申請の相談をしたら、意外にも皆が賛成してくれた。その時には、中国南部の田舎の出身で、1990年代に麗水で学校を設立したことは、平凡な事業ではあるが、皆が自分の情熱を認めてくれていると思い、感激し感謝したという。

葉先生には、今も新たな目標がある。老人ホームを設立することだ。葉先生は「自分の限りある命をすべて社会に捧げ、高齢者が最後の年月を楽しく過ごせるようにするつもりです」と説明した。最近では、時間を見つけては関連する社会関連の調査をしているという。(翻訳・編集/如月隼人)