2024年3月18日、中国メディア・毎日経済新聞は、米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)が中国市場での販売業績の悪化を隠したとして投資家が起こした訴訟で、同社が原告に和解金を支払うことで合意したと報じた。

記事は、アップルが15日、クック氏が中国市場における同社の業績について虚偽の誤解を招く発言をし、米連邦証券法に違反するとして投資家などが起こした訴訟で、同社が4億9000万ドル(約730億円)を支払って和解することで合意したと伝えた。

そして、投資家らによる訴状では、クック氏が18年11月に電話会議で投資家に対し、同社がブラジル、インド、ロシア、トルコなど通貨安の市場で販売不振に陥っているものの「中国はそこに含まれない。前四半期の中国事業は非常に好調だった」と述べたほか、同社が「90日間に売れた携帯電話の台数は必ずしも事業の潜在的な強さを示すものではない」として、iPhoneやその他の製品の販売台数を伏せたこと、クック氏が発言したわずか数日後に同社がサプライヤーに減産を指示した上、19年1月には突然業績の下方修正を発表し、同社の株価が大きく下落したことが指摘され、投資家らが「クック氏の発言が投資判断を誤らせた」と主張していたことを紹介した。

その上で、今回の和解について同社が「両者の利益のためであり、会社やクック氏の違法行為を認めるものではない」と主張していることを伝えた。

記事は、市場調査会社カウンターポイント・リサーチが5日発表したデータでは、今年に入って最初6週間で、中国におけるiPhoneの販売台数が前年同期比24%減少し、中国市場シェアが19%から15.7%に低下したと紹介。2月1日に同社が発表した24年9月期の第1四半期(23年10〜12月期)決算で、全体の売上高がは1195億8000万ドル(約18兆円)で、市場予測を若干上回ったのに対し、中華圏の売上高は前年同期比で13%近く減少し、予測を下回ったことも明らかになっていたとした。(翻訳・編集/川尻)