Noele Illien

[チューリヒ 28日 ロイター] - スイスの金融大手UBSは28日、同社が直面する「最大かつ新たなリスク」の一つとして商業用不動産市場の低迷を挙げた。同市場は借り入れコストの上昇と新型コロナウイルス流行後のオフィス需要低迷で打撃を受けている。

2023年の年次報告書で「銀行やノンバンクのこのセクターに対する大幅なバランスシートエクスポージャーを考慮すると、金利上昇やオフィス・店舗スペース需要の構造的な減少によるバリュエーションへの悪影響はより広範な影響をもたらす可能性がある」と指摘した。

UBSグループ全体の同セクターに対するリスクエクスポージャーは550億9000万ドルと、22年の471億ドルから増加。これは主にクレディ・スイス買収によるものだという。

UBSは、1年以内に顕在化する可能性があり、グループに大きな影響を及ぼす可能性のあるリスクを「最大かつ新たなリスク」と定義。前回の年次報告書に商業用不動産は含まれていなかった。今回はこの他にインフレや地政学も含まれている。