Ritsuko Shimizu

[東京 1日 ロイター] - 全国銀行協会の福留朗裕会長(三井住友銀行頭取)は1日の就任会見で、日銀はマイナス金利解除後も緩和的な金融環境を継続するとしていることから、経済への影響について「当面の影響は限定的」との見方を示した。ただ、LBO(レバレッジド・バイアウト)ローン先や中小企業で財務基盤が弱く借り入れ依存度高い企業は金融政策の影響を受けやすいとし「十分留意する必要がある」と指摘した。

福留会長は「中長期的には金利上昇トレンドが続くことも踏まえ、顧客の動向をきめ細かくフォローし、事業計画の見直しや経営改善支援などに取り組むことが重要」と述べた。

銀行経営に対しては「イールドカーブが立つことは根源的にポジティブな話」とした。保有債券価格の下落により評価損が出るものの、中長期的には新規の投資利回り確保や利ザヤの改善につながるとした。また、預金については「銀行間で獲得競争活発化することは十分ある。足元は大幅な預金超過であり、当面は緩和的な金融環境が維持されるため、銀行の資金繰りに問題は生じないが、いかに粘着性のある預金を確保するかは銀行経営の一つのテーマになる」と述べた。

マイナス金利解除後の利上げ見通しについては、個人的な意見と断ったうえで「日銀は市場と丁寧にコミュニケーション取りながら、丹念にデータを見ながら慎重に検討するとみている」とした。