Lawrence White Selena Li

[香港/ロンドン 2日 ロイター] - 英銀大手スタンダード・チャータード(スタンチャート)が2日発表した第1・四半期決算は、税引き前利益が前年同期比5.5%増の19億1000万ドルとなり、予想を上回った。金利上昇とトレーディングによる増益が信用損失を補った。

同行がまとめたアナリスト13人の予想平均は13億9000万ドルだった。

投資銀行部門は13%の増益となった。

ジェフリーズのアナリスト、ジョー・ディッカーソン氏は、コストを抑えながら事業全般にわたって好調な業績を上げていることから、スタンチャートの株価は長年の低迷から脱するはずだと述べた。

アジアで収益の大半を稼いでいる同行は、堅調な四半期決算だったとして、2024年通年のガイダンスを据え置いた。

一方、第1・四半期に評価損を1億6500万ドル計上。前年同期は2000万ドルだった。評価損の大部分は富裕層・個人向け銀行部門によるもので、香港と韓国で「住宅ローンの逆風」の影響を受けたと説明した。

中国の商業用不動産部門に関連して総額12億ドルの引当金を計上した。同部門への与信総額は24億ドルとなり、前四半期から2億ドル減少した。

23年は保有する中国の渤海銀行株を巡り8億5000万ドルの評価損を計上していた。同行が中国の景気減速と不動産危機に苦しんでいたため。

第1・四半期の合弁事業からの利益は1800万ドルから600万ドルに減少。渤海銀の減益に伴うもので、中国での苦境が続いていることを示唆している。

また株式連動証券を購入して損失を被った韓国の顧客に対する補償に備えて1億ドルの引当金を計上した。